...燈火(ともしび)のうつろう影に...
泉鏡花 「婦系図」
...……火は椰子(やし)の林にもえうつろうとしている」船長は...
海野十三 「恐竜島」
...いつぞや小金吾をきりころしたあの表座敷から中廊下へうつろうというしきいぎわには...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...平中(へいじゅう)の家の籬(まがき)に咲いた菊の花も色香がうつろう季節になった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...戸外(おもて)にはまだ斜にうつろう冬の夕日が残っているに違いない...
永井荷風 「妾宅」
...襖にうつろうとする火の色を見て笑っています...
中里介山 「大菩薩峠」
...あらゆる茶袋を向うに廻して大格闘にうつろうとする時...
中里介山 「大菩薩峠」
...僅かの案内では耳にうつろうはずもないのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...次は父の巻にうつろうとしているところだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...なるほど」更に第四条件にうつろうとする時...
中里介山 「大菩薩峠」
...色や……うつろう」と細き糸ふって波うたせたる時の如くに人々の耳を貫く...
夏目漱石 「薤露行」
...この章にうつろうとして...
長谷川時雨 「最初の外国保険詐欺」
...豊島ガ岡あたりの物静かなところへ引きうつろうと思うのでございます」「なるほど...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...」はしばみの枝々をうつろうともしない何羽かの黒鶫を...
室生犀星 「姫たちばな」
...ふと急にうつろうものの寂しさを覚えて来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...うつろう川水に胸が冷やされ...
横光利一 「旅愁」
...矢倉(やぐら)へまでもえうつろうとしているありさまだ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...「批評にうつろう」――エロアが言う...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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