...向ううつむけに沈んで行(ゆ)く...
泉鏡花 「薄紅梅」
...うつむけに畳に伸びた蹠(あしうら)を踏ませられる...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...床の上にうつむけになってころがると...
海野十三 「太平洋魔城」
...うつむけば忽ち曇るやうに出来て居り...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...秋の夜や加茂の露臺にしよんぼりとうつむける子にこほろぎの鳴く○秋が立つといふのに...
竹久夢二 「砂がき」
...彼女は平気な青黒く焼けた顔をうつむけて...
徳永直 「冬枯れ」
...私は盥をうつむけてその下に蝦蟇を入れ...
豊島与志雄 「蝦蟇」
...私はうつむけに倒れかかった...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...若者は蒼白(あをじろ)い顔をうつむけて...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...俯向(うつむけ)になって居る上面...
羽志主水 「越後獅子」
...藤五郎は見る見る額に汗を滲ませて顔をうつむけてしまった...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...静かに眼をあけて顔をうつむけると...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...主事は顔をうつむけて...
久生十蘭 「雲の小径」
...すこし前こごみに首をうつむけてな...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...前へうつむけにのめり...
三木竹二 「いがみの権太」
...女は疊の上に眞うつむけに寢てゐたが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...白い着衣に銀の沓をはいてまぼしい様なかおをうつむけてシリンクスが向うの木のかげから出て来る...
宮本百合子 「葦笛(一幕)」
...私より身なりの大きいM子が重そうな髪をうつむけながら低い声で何か相談をしかける様子を今も思うのである...
宮本百合子 「M子」
便利!手書き漢字入力検索