...うっそうと樹木の生いしげった山路を越えかかっていた...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「幽霊花婿」
...それは灌木の欝蒼(うっそう)とした繁みで...
海野十三 「恐怖の口笛」
...うっそうたる大樹に囲まれて...
江戸川乱歩 「影男」
...鬱蒼(うっそう)たる木立の中に迷い込み...
太宰治 「惜別」
...緑滴(したた)る眼も遥かな芝生の彼方此方(かなたこなた)には鬱蒼(うっそう)たる菩提樹(ぼだいじゅ)がクッキリした群青(ぐんじょう)の空を限って...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...わたしの乗った船が洲に漕ぎ寄せたとき男山はあだかもその絵にあるようにまんまるな月を背中にして鬱蒼(うっそう)とした木々の繁(しげ)みがびろうどのようなつやを含み...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...そうしてすこしの遮(さえぎ)るものもない島はそのうえに鬱蒼(うっそう)と生い繁った大木...
中勘助 「島守」
...行手(ゆくて)に鬱蒼(うっそう)と一叢(ひとむら)の杉の木立...
中里介山 「大菩薩峠」
...巨人の頬髯(ほおひげ)のように攀援類(はんえんるい)の纏(まと)いついた鬱蒼(うっそう)たる大榕樹(だいようじゅ)の下まで来た時...
中島敦 「環礁」
...樹木が鬱蒼(うっそう)として...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...うっそうと葉を垂れた枇杷(びわ)の木のそばにあるのです...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...柯(えだ)を交じえ葉を折重ねて鬱蒼(うっそう)として翠(みどり)も深く...
二葉亭四迷 「浮雲」
...うっそうと茂る緑の葉っぱに...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...鎌倉附近の昔のヤツに草木の鬱蒼(うっそう)たりし場合を想像してみても...
柳田國男 「地名の研究」
...鬱蒼(うっそう)と常緑樹の茂った深山のような中で...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
...夏木立の鬱蒼(うっそう)としているこの頃の昼間はただ蝉(せみ)の声(こえ)だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...未来の鬱蒼(うっそう)をなさんとしているものでしょう...
吉川英治 「随筆 新平家」
...前なる山の鬱蒼(うっそう)や...
吉川英治 「源頼朝」
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