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高見順 「死の淵より」
...身はひとつ心はふたつ三股の流れによどむうたかたの...
竹久夢二 「砂がき」
...目前の歓楽はうたかたのごとくはかない...
近松秋江 「狂乱」
...一〇万もの表情のないうたかた――悪夢のようだ...
カレル・チャペック Karel Capek 大久保ゆう訳 「RUR――ロッサム世界ロボット製作所」
...時劫の潮とこしへに寄するあら波返る波浮きて沈みて末つひはたゞうたかたのよゝのあといづれの時かいつの世か亂れ騷ぎのなかりけむ...
土井晩翠 「天地有情」
...虹の七色空の色染むるかしばしうたかたを旭日の光てらすとき――あゝ喜びかまがつみか幸か恨みか分かねども戀よ我世の春の夢さめなばよみの門口に「生ける」屍を誘へかし...
土井晩翠 「天地有情」
...あはれ無限の大うみに溶くるうたかた其はてはいかなる岸に泛ぶらむ...
土井晩翠 「天地有情」
...岬をめぐる浪のうたかた...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...うたかたの泡(あわ)より儚(はか)なく...
林芙美子 「新版 放浪記」
...人の世は灰なりとこそこもれる息もうたかたのそのうたかたの浮き沈み男こいしと唄うなり地獄のほむら音たてて荒く息するかたりあい...
林芙美子 「新版 放浪記」
...其中でも「埋木」と「うたかたの記」と...
三島霜川 「自傳」
...淀(よど)みに浮ぶ泡沫(うたかた)は...
南方熊楠 「十二支考」
...ながめする軒の雫(しづく)に袖(そで)ぬれてうたかた人を忍ばざらめやそれが長い時間でございますから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あることか、二三日のちの消息は、新男君(にひをとこぎみ)、うちつけに、その夜中より病して、妹背の契り、空しくも、うたかたとなり、永久に帰らぬ国へ、翌る日の十七日に、赴くと、逝(かく)れましぬと、云ふものか、報ずるものか...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...うたかた帖旅行の先々で...
吉川英治 「折々の記」
...――」もう泡沫(うたかた)の中に覆(くつがえ)されて...
吉川英治 「私本太平記」
...もう濁流にせかれる花と泡沫(うたかた)の明滅みたいに...
吉川英治 「私本太平記」
...また泡沫(うたかた)のように消えるは消え...
吉川英治 「親鸞の水脈」
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