...それをいわれもなく...
伊藤左千夫 「春の潮」
...秋の日のどんよりと曇って風もなく雨にもならず暮れて行くようにわたしの一生は終って行くのであろうというような事をいわれもなく感じたまでの事である...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...いわれもなく停車場の方へと急いで行く道すがら大崎の森から大きな月の昇るのを見た...
永井荷風 「写況雑記」
...私は何のいわれもなく山の手のこの辺(あたり)を中心にして江戸の狂歌が勃興した天明(てんめい)時代の風流を思起(おもいおこ)すのである...
永井荷風 「日和下駄」
...何のいわれもなく早くから之を予想していた...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...田中久太夫がいわれもなく自裁したあと...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...いかに、無辜(むこ)の民や、あわれなる宿命の者が、いわれもなく、この麻縄や、この白い牙(きば)にかかって、代々、次々、呻(うめ)きの闇へ、投げこまれて行ったことだ...
吉川英治 「大岡越前」
...何ら怨みを受くべきいわれもなく...
吉川英治 「剣難女難」
...ところが、その後、同じお腹に生れた第二の皇子を鍾愛(しょうあい)のあまり、いわれもなく、後深草を十七歳で退位させ、第二皇子十一歳を立てて、亀山天皇となさしめた...
吉川英治 「私本太平記」
...そして穀つぶしなどと蔑(さげす)まれるいわれもなくなった...
吉川英治 「私本太平記」
...武松はいわれもなく胸がどきっとした...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いわれもなく、何でかようなことをするものか...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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