...いわば古藤を壁ぎわに思い存分押し付けていた倉地が手もなくはじき返されたのを見た...
有島武郎 「或る女」
...前には八蔵驚破(すわ)といわばと...
泉鏡花 「活人形」
...何の真似です! 一体これは!」驚破(すわ)といわば...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...ところで今日のブルジョア哲学のいわば最も窮鼠的形態は...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...まあいわば通行券なりと...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...いわば在来の考えかた...
中井正一 「絵画の不安」
...いわば資本の有機的構成が高度化していることを見のがしてはならない...
中井正一 「調査機関」
...お君の誘惑はいわば自然の誘惑でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...いわば碁を打つにあたって一度に二石を下ろしたようなもので...
中里介山 「大菩薩峠」
...万事がいわば月とすっぽんで...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...フーラー教授はいわば不遇のうちに亡くなったわけである...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...職を賭してもこの真相を摘発して見せるつもりで、その場で辞職願を認めて懐中し、いわば、確固たる精神で有明荘に赴いたのです...
久生十蘭 「魔都」
...無論、こんな連中はそれほど重要な人物ではなくて、いわば二流、或は三流どころに過ぎず、この叙事詩の主なる発展や動機が決して彼等に由来するのではないのだから、ところどころで言及するにしても、極くあっさりあしらっておけばよい訳であるが、しかし作者(わたし)は万事につけて几帳面なことが非常に好きで、この点では元来ロシア人であるにも拘らず、ドイツ人のように綿密でありたいと希うのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...いわば無気力なふんいきであったから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いわば立場を越えた立場と云っていいでしょう...
柳宗悦 「日本民藝館について」
...いわば土地の若い男女の夜会ともいうべきチャンスでもあった...
柳田国男 「故郷七十年」
...いわば前木曾ともいうべき処である...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...いわば高等食客をしていた壮年時代に...
吉川英治 「新書太閤記」
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