...舷へ手をかけて、神様のような顔を出して、何にもねえ、八方から波を打(ぶッ)つける暗礁(かくれいわ)があるばかりだ、迷うな、ッていわしった...
泉鏡花 「海異記」
...そらその菰(こも)に三升ばかり背黒鰯(せぐろいわし)があらあ...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...(※五)朝野はまたしても私のことを「鯛(たい)に食い飽きて鰯(いわし)を食おうとしている男」と言った...
高見順 「如何なる星の下に」
...どこの鰯(いわし)の頭か知れない男の告白よりは...
太宰治 「虚構の春」
...あんたの方が愛しられてる証拠やし」いうてたのんですが、夫にいわしたら、愛してるもんこないにいじめるはずない、僕を疲れさして、情慾も何も起らんように麻痺(まひ)さしといて、二人で好きな真似(まね)しょういう計略やないかいいます...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...いわしのさしみはうまかつた...
種田山頭火 「行乞記」
...畳鰯(たたみいわし)を炙(あぶ)っていたが...
徳田秋声 「黴」
...スッポンが鮪(まぐろ)か鰯(いわし)のように沢山にあらば賞味もせまい...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...手拭(てぬぐひ)の端(はし)へ括(くゝ)つて來(き)た鰯(いわし)の包(つゝ)みをかさりとお品(しな)の枕元(まくらもと)へ投(な)げて...
長塚節 「土」
......
野口雨情 「雨情民謡百篇」
...(いいかけてやめる)子守子 (子守唄をうたって行きかける)いわしの北公...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...……なァに? よく聞えないけど……そんなこといわしておく手はないって? 聞えたわ...
久生十蘭 「姦(かしまし)」
...吾妻橋へ掛かりました時に「ああ昨夜ここンとこで飛び込もうとしたかと思うとぞっとするね」と男にいわしめているのはさすがである...
正岡容 「我が圓朝研究」
...先(ま)ず三十五銭と思えば大丈夫です」小山「ではスープが三十銭に鰯(いわし)のフエタスが二十五銭...
村井弦斎 「食道楽」
...どうせ鰯(いわし)みたいな代物でしょうがね」そしてでかい権兵衛の刀を取って腰に差し...
山本周五郎 「風流太平記」
...いわしておけば野放図もない悪口雑言...
吉川英治 「三国志」
...なぜその老いぼれに物をいわしておくか」「ひかえろ...
吉川英治 「三国志」
...石清水(いわしみず)へ詣(まい)って...
吉川英治 「私本太平記」
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