...五十川さんなぞはなんでも物を僻目(ひがめ)で見るから僕はいやなんです...
有島武郎 「或る女」
...父の家を逐(お)はれて知らないいやな家に行かねばならないといふ苦痛も伴つて...
伊藤野枝 「書簡 木村荘太宛」
...いい事といやな事がまじりあい勝ちなものである...
ソログーブ・フョードル 米川正夫訳 「身体検査」
...何も言う事が無いやないか...
太宰治 「惜別」
...風ほどいやなものはない...
種田山頭火 「其中日記」
...しかし交通の不便なところだけに旅客を不愉快にさせるやうないやな気分はない...
田山録弥 「町」
...もし「いやならいやでよろしく」それなら送った品を返送せよというのであった...
寺田寅彦 「柿の種」
...毎日昼前に母から注意されていやいやながら出て行く...
寺田寅彦 「花物語」
...「まあ何ていやな奴だろう...
トルストイ Tolstoi 菊池寛訳 「イワンの馬鹿」
...」と男は俄(にわか)に申訳(もうしわけ)らしく、「まアいいやな、こうして暮して行けれァ何も愚痴(ぐち)を言う事はない...
永井荷風 「ひかげの花」
...いやな事を思い出した様子です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「いやな流行(はや)りものにならなきゃいいが――」ガラッ八は何心なくそんな事を言って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...やって来ます」「いやなに...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……潮ざしをはからって場所を決めるのは、相当の名人がいたすことでございます」「じゃア、ご名人にたずねるがの、するてえとなんだナ、竿さえひっかついでそこへ行きゃあ、いやでも、釣れるてえわけか」「ごじょうだん」と、らっきょう、いやな顔をする...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...いやいやながら連れてきた...
久生十蘭 「白雪姫」
...一番いやな色だと思はれてゐます...
村山籌子 「お猫さん」
...実にいやな猫だ...
柳田國男 「どら猫観察記」
...いやなかなか眠りもしていまい...
吉川英治 「私本太平記」
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