...吉野川のおほいぬふぐりがその一つだし...
石川欣一 「山を思う」
...よし、それとても朧気(おぼろげ)ながら、彼処(かしこ)なる本堂と、向って右の方(かた)に唐戸一枚隔てたる夫人堂の大(おおい)なる御廚子(みずし)の裡(うち)に、綾(あや)の几帳(きちょう)の蔭なりし、跪(ひぎまず)ける幼きものには、すらすらと丈高う、御髪(おぐし)の艶(つや)に星一ツ晃々(きらきら)と輝くや、ふと差覗(さしのぞ)くかとして、拝まれたまいぬ...
泉鏡花 「一景話題」
...またキリスト出現前のキリスト探究史なる故にある意味において救主(すくいぬし)出現の予表であり...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...狗(いぬ)までが自分を見ると道をよけて...
薄田泣菫 「茶話」
......
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...此奴(こいつ)が狗(いぬ)のような毒血を払ってはたして何物を掴(つか)んでいる? こう思った彼はわざと軽蔑(けいべつ)の色を面(おもて)に現わして訊(き)いて見た...
夏目漱石 「明暗」
...井崎八郎と白狗(しろいぬ)の勘次は話を始めました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...年の暮近し世間は何と無(なく)ざわめきて今日はいぬの日...
長谷川時雨 「うづみ火」
...疲れた着物を三畳の部屋いっぱいぬぎちらして...
林芙美子 「新版 放浪記」
...狂犬(やまいぬ)め...
三好十郎 「斬られの仙太」
...あの田舎(いなか)で父のいぬ場所で生まれるとは憐(あわ)れな者であると思っていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...鞠(まり)に夢中でいる若公達(わかきんだち)が桜の散るのにも頓着(とんちゃく)していぬふうな庭を見ることに身が入って...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...只僕にお玉の情人になる要約の備わっていぬことは論を須(ま)たぬから...
森鴎外 「雁」
...系統は異なるが杵(きね)を用いぬという特徴のために...
柳田国男 「木綿以前の事」
...この点は狗(いぬ)の声(にわとり)の声を...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...間諜(いぬ)だな」「ばかをいえ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...城の乾門(いぬいもん)では...
吉川英治 「夏虫行燈」
...きゃッきゃッと笑いぬいてやまなかった...
吉川英治 「松のや露八」
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