...こう嵩(こう)じてはいとわしいと自分ですらが思うような冷ややかな皮肉が...
有島武郎 「或る女」
...これから考えても悲哀ということ自身は決していとわしい恐るべきことではなくてかえって多くの人間の自然に本能的に欲求するものであることが推測される...
寺田寅彦 「自由画稿」
...貴婦人醜行という拭(ぬぐ)えないいとわしい字があるが...
長谷川時雨 「モルガンお雪」
...いとわしい此の世に最後のあいさつをしながら...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...女中たちの品物というあのいとわしい汚れものは...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...またいとわしい姿にもかかわらず...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...「この住居および家族のうちに支配しているいとわしい事情を考えて」――ここでとっさの決心をして床につばを吐いた――「私の部屋をただちに出ていくことを通告します...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...このいとわしい状態は...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...われわれのいとわしい肉の情熱を...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...まあ、何事もまかせて置きなされ」一歩、一歩、拭き込んだ廊下を、まるで汚物でも撒かれている道を歩かせられるような、いとわしい、やり切れない気持で、雪之丞は、奥まった茶室風の小部屋の方に導かれて行くのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...あのいとわしい貴(とうと)いお方のお側に...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...――浪路どの、悪(あ)しゅうはせぬほどに――」ああ、いとわしい、顎ひげが、少し伸びた顎が、窶(やつ)れた頬に触れるのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
......
三好十郎 「捨吉」
...ほかのいとわしいことは皆忍んでいこうと思います...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...また人生をいとわしいものに思うことが深くなったのです...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いっそう恋愛というものをいとわしいものに思い込むようになり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人生を深くいとわしい所と信じていたから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...煩悶(はんもん)が絶えなくなるのはいとわしい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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