...どこへ持って行った?」それからの騒ぎを一々克明にここに写している遑(いとま)はない...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...或る農夫の悦び・植ゑた田をまへにひろげて早少女の割子飯・田植もすましてこれだけ売る米もあつて・足音は子供らが草苺採りにきたので・夕凪の水底からなんぼでも釣れる・露けき紙札『この竹の子は竹にしたい』・ほんとにひさしぶりのふるさとのちしやなます(改作再録)山口後河原風景・おいとまして葉ざくらのかげがながくすずしく木かげがあれば飴屋がをれば人が寄つて・ま夏ま昼の火があつて燃えさかる大橋小橋...
種田山頭火 「其中日記」
...湖の御殿の奥庭から陸(おか)の方へおいとまをすることになりました...
夢野久作 「ルルとミミ」
...「私達はもうこれでお隙(いとま)致します...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...この見える目をいったんつぶしてしまわなければわかりません」と老人が最後にいった言葉を意味深く聞いて暇(いとま)を告げ...
中里介山 「大菩薩峠」
...白雲はそれに愛惜(あいじゃく)するの暇(いとま)を与えずに...
中里介山 「大菩薩峠」
...畑(はたけ)の作主(さくぬし)が其(その)損失(そんしつ)以外(いぐわい)にそれを惜(をし)む心(こゝろ)から蔭(かげ)で勢(いきほ)ひ激(はげ)しく怒(おこ)らうともそれは顧(かへり)みる暇(いとま)を有(も)たない...
長塚節 「土」
...吾輩のような碌(ろく)でなしはとうに御暇(おいとま)を頂戴して無何有郷(むかうのきょう)に帰臥(きが)してもいいはずであった...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...枚挙(まいきょ)に遑(いとま)あらず...
福沢諭吉 「旧藩情」
...もはや我が身も自ら顧みるに遑(いとま)あらず...
福沢諭吉 「日本男子論」
...ついとまた姿を現はし...
堀辰雄 「巣立ち」
...仏前でお暇乞(いとまご)いにお弾きになりましたあとで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「精しく話すいとまはない...
山本周五郎 「新潮記」
...哄笑(こうしょう)させる遑(いとま)をおいていたら...
吉川英治 「上杉謙信」
...暇(いとま)をあたえ...
吉川英治 「三国志」
...中原進出の大挙を思いとまるはずはなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...役不足など考えているいとまはない...
吉川英治 「新書太閤記」
...両三日のいとまをくれい」「行っていらっしゃい」諸将はそういうしかない...
吉川英治 「新書太閤記」
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