...死のうと思った主人公が、いまわの際に、一本の、かおりの高い外国煙草を吸ってみた、そのほのかなよろこびのために、死ぬること、思いとどまった、そんな小説を書いたことがある...
太宰治 「秋風記」
...いとど旅感をそそるに堪えている...
中里介山 「大菩薩峠」
...ばけもの屋敷がいとど色めいてきたのみならず...
中里介山 「大菩薩峠」
...この室はいとど閑寂(かんじゃく)ですが...
中里介山 「大菩薩峠」
...遠雷らしいとどろきもまじって断続する...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...締(しま)りが悪いとどこからでも這入りますよ...
夏目漱石 「永日小品」
...険相(けんそう)な顔がいとど険相になるように見える...
夏目漱石 「永日小品」
...平生から繋続(つなぎ)の取れない魂がいとどふわつき出して...
夏目漱石 「坑夫」
...いとど疲れている上に...
夏目漱石 「坑夫」
...品質(もの)が悪いとどうしても損ね...
夏目漱石 「明暗」
...いとど感情にのみ奔(はし)るの癖(くせ)ある妾は...
福田英子 「妾の半生涯」
...いとど深き哀れを催し...
福田英子 「妾の半生涯」
...いとど帰国の本意(ほい)なき事を語り出でられぬ...
福田英子 「妾の半生涯」
...それからリーズとしたやくそくを果(は)たすためにもこの旅行を思いとどまることはできなかったのだ...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...心はいとど荒れに荒れて忍藻のことを思い出すよ」心は人の物でない...
山田美妙 「武蔵野」
...御霊屋の一宇(う)はいとど暗い...
吉川英治 「私本太平記」
...いとど火色も細い...
吉川英治 「新書太閤記」
...いとど醜(みぐる)しく思われて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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