...いつもながらその部屋は...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...いつもながら、場末の唐物屋にメリヤスの肌着が積まれ、大賣出しの立札がたてられ、三等郵便局の貯金口に人垣が作られ、南京豆の空袋が、風にふかれて露地を走る風景の中では、街角に傾いたまゝ突立つた瓦斯燈よりも、人間は慌しいと思ふことだ...
竹久夢二 「砂がき」
...いつもながら不利な批評の焦点になっていたが...
寺田寅彦 「子猫」
...私はいつもながら達者で...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...いつもながら鶴屋さんの御心遣(おこころづかい)には恐縮千万...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...別にこれと見処もないこの通をばいつもながらいかにも明(あかる)く広々した処のように感じるのであった...
永井荷風 「雪解」
...「先生、昨晩はまたエライ働きをなすったそうで、いつもながら、先生のお手並には恐れ入ったものでげす...
中里介山 「大菩薩峠」
...いつもながら驚嘆させられるよ...
久生十蘭 「キャラコさん」
...マリアはいつもながらの小さい白カラーのついた黒い服の上に外套をはおり...
宮本百合子 「キュリー夫人」
...いつもながらパリーの不思議さだ...
横光利一 「欧洲紀行」
...御辺のいつもながらのご忠誠に...
吉川英治 「黒田如水」
...いつもながら眩(まばゆ)いような姿を見せて来た...
吉川英治 「剣難女難」
...「いつもながら信義に篤い足下の早速な会同を満足におもう」と...
吉川英治 「三国志」
...いつもながら御奉公とのこと...
吉川英治 「新書太閤記」
...いつもながら腹の立つほど陽気で楽天顔をしている老人だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...いつもながらの風であった...
吉川英治 「新書太閤記」
...「いつもながらお健やかで――」と...
吉川英治 「親鸞」
...――そして久しぶりに、都の様子を見に来てみれば、綽空めは、またぞろ、前関白家(さきのかんぱくけ)の聟(むこ)になるとか、ならぬとか、いつもながら、問題の人物になっている」忌々(いまいま)しげに、弁円は、小石をつかんで、叩きつけた...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索