...夫ほいっかな炉辺をはなれようとしない...
犬田卯 「おびとき」
...いっかな帆村を帰そうとはしなかった...
海野十三 「蠅男」
...いっかな頭を挙げることも...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...いっかな心(こゝろ)を動(うご)かさぬ...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...犬はいっかな身動きもしません...
中里介山 「大菩薩峠」
...よし出ないにしたところで、銀杏加藤(ぎんなんかとう)の奥方様は、もうこの名古屋にはいらっしゃいません」「おや――あの奥方は名古屋にいらっしゃらない? でも、御良人も、お屋敷も、変りはないのに、江戸への御出府や、一時の道中は、人別(にんべつ)の数には入りませんよ」「ええ、名古屋にもいらっしゃいません、お江戸へもおいでになっていらっしゃるのではございません」「では、お亡くなりになったの?」「いいえ……」「どうしたというんでしょうねえ」「ホホホホ、醒(さめ)ヶ井(い)様(さま)、あなたは銀杏加藤の奥方に、それほど御贔屓(ごひいき)でいらっしゃるくせに、そのお行方(ゆくえ)さえ御存じないの……だから、五年前のことは当てにならないと申しました」今度は、初霜が逆襲気味で、醒ヶ井の咽喉首(のどくび)を抑えていると、それを機会(しお)にして若いのが、「五年前のことでは、わたしたちは一向に存じませんもの……」「わたしは、噂(うわさ)にだけは聞いておりました」「でも、名古屋にいらっしゃらないのなら、新しく別に選んでも、失礼にはなりますまいか知ら」新進がようやく頭をもたげそうにするのを、醒ヶ井は、いっかなきかず、「いけません、たとえ、どちらにいらっしゃろうとも、あの奥方が生きていらっしゃる以上は、他人に第一の席は、わたしが許しません、この醒ヶ井が許しません」「皆さん」この場合、初霜は新進を代表している形勢であると共に、新進を教育せねばならぬ責めも感じているように、多勢の方へ向き直って、「醒ヶ井様が、ああ、おっしゃるのも御無理はございません、それは、あなた方のうちにはお聞きにならない方もあるかも知れませんが、銀杏加藤の奥方が、名古屋第一の美人でいらっしゃるということは、醒ヶ井様お一人の御了簡(ごりょうけん)ではございませんからね...
中里介山 「大菩薩峠」
...お米婆アいっかな聴き容れません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いっかな放そうとはしなかった...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...いっかな通そうともしないで...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...それがいっかな鳴り止もうとしないで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...いっかな持ちあげることも出来ない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...「そろ/\お暇する」と言ひ/\伊藤松雄いっかな動かず...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...いっかな薬をうけつけずに済むというのさ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...いっかな怖れはいたしませぬ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...一二横山五助が、心の中の暗い願望を、それと口に出さぬうち、早くも、感づいた浪路は、放して――放して――と、腕の中にもがいたが、相手は、いっかな放さぬ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...かけ落ちもいたしてしまわれよう――いっかな...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...何時も後に残っていっかなあがる気色は見せなかった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...いっかな恐れない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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