...一縷(いちる)の望みに...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...それに一縷(いちる)の望みをつないで東京行きを思い立ったのに違いないので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...意外な事柄の継起によってそれが厄年前後における当人の精神的危機と一縷(いちる)の関係をもっている事を発見するような場合はないものだろうか...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...命は実に一縷(いちる)につながれしなりき...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...一縷(いちる)の糸となって烟(けむり)に入るは...
夏目漱石 「薤露行」
...眠らんとする春の夜(よ)に一縷(いちる)の脈をかすかに搏(う)たせつつある...
夏目漱石 「草枕」
...もしくは自己の狭隘(きょうあい)なる経験より出でたる一縷(いちる)の細長き趣味中に含まるるもののみを見て真の文学だ...
夏目漱石 「作物の批評」
...そこにまだ一縷(いちる)の望があるようにも思われる...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...蒸(む)し熱い夏の夜に一縷(いちる)の冷風(れいふう)が袖口(そでぐち)を潜(くぐ)ったような気分になる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...一縷(いちる)の妥協性もありません...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...――一縷(いちる)の望みを抱いて百瀬さんの家へ行ってみる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...医者は一縷(いちる)の望みに期待するのみと表明...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...一縷(いちる)の望みを持っていたからです...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...第二百七十二 善後策この夜お登和嬢は一縷(いちる)の望(のぞみ)を抱いて寝(い)ねぬ...
村井弦斎 「食道楽」
...いずれは由縁(ゆかり)へお身を潜めているものと思われますから」「む! たのもしい」尊氏は俄に一縷(いちる)の光を見いだしたようだった...
吉川英治 「私本太平記」
...一縷(いちる)の明りさえ見られなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...ある!」沢庵は一縷(いちる)の望(のぞ)みへ情熱をこめて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...郁次郎の生命に一縷(いちる)の光明を投げた黎明(れいめい)の鐘となった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??