...女に似合わぬ悪いたずらなり...
井上円了 「おばけの正体」
...小柳雅子へのいたずらな想いをそうして追い払おうと努めたところ...
高見順 「如何なる星の下に」
...いたずらなのか?「もうそれからは...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...最早(もは)やあのいたずらな仔猫の眼ではなくなって...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...いたずらな蜘(くも)めが糸で頸(くび)をしめる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...武力にたいするいたずらな愚痴をこぼして時間を空費するほど馬鹿ではない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いたずらな荒立ちに浪費されることがないだけにいっそう大きな力を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いたずらな焦燥、誇大な熱情、不謹慎な訴えなど、自己の開陳、節度の欠如は、憐(あわ)れむべきまた恥ずべきものであるように思われた、それこそ、牧者なき羊の群れ、王なき王国であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その実(じつ)どっちが正しいのか分らないいたずらな忌々(いまいま)しさを感じた例(ためし)も少なくはなかった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...いたずらな町家娘(まちやむすめ)とわけがちがい...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...そんなのはむしろいたずらな機会が生んだ無意識的な退屈しのぎに過ぎまい...
松永延造 「職工と微笑」
...1440いたずらな幻の戯ではない...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...いたずらなる栄光にあこがれようとも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...すると娘のいる座敷で誰か立ち上るような音がしたが、すぐその音が近づいて来た、自分の胸はときめいた,注意はもウその音一ツに集まッてしまッて心は目の前にその人の像(かたち)を描いていた,その人の像はありありと目の前に見えるのに、その人は自分の背(うしろ)へ立ッて、いたずらな、自分の頸毛(ちりげ)を引ッ張ッて,「秀さん、いい物をあげるからいらッしゃい」「いい物?」いい物とは嬉しい、と思いながら、嬉しさにほとんど夢中となり、後に続いて座敷へはいると紙へくるんだ物をくれた,開けて見るとあたり前の菓子が嬉しい人から貰(もら)ッた物、馬鹿なことさ、何となく尊く思われた,破(こわ)さないように、丁寧に、そっと撫でるように紙へくるんで袂(たもと)へしまうのを、娘はじッと見ていたがにッこりして,「秀さんいい物を拵(こし)らえて上げましょう」「どうぞ」娘は幾枚となく半紙をとり出して、「そらようございますか、これが何になるとお思いなさる,これがね」ゆッたりした調子で話し始めた...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...――いたずらなら笑って済ませる...
山本周五郎 「屏風はたたまれた」
...この姫君はよほどいたずらな性質(たち)で色々な男に関係したらしく...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...いたずらな諸所の関所を廃毀(はいき)させ...
吉川英治 「新書太閤記」
...それは私本太平記の途上ではいたずらな構成のアンバランスになりかねないのだ...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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