...けれど、そのかわり、いたずらな、またはいけないこどもをみて、かなしみの涙をながさせられると、そのひとしずくのために、あたしたちのためしのときも、一日だけのびることになるのですよ...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「人魚のひいさま」
...第一にやったいたずらなのですが...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...きっとつまらないいたずらなのだから...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「踊る人形」
...いたずらな運動と空虚な饒舌(じょうぜつ)とは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...武力にたいするいたずらな愚痴をこぼして時間を空費するほど馬鹿ではない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それはいたずらな悪魔ですよ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そのいたずらな平沙の浦の海をながめていた駒井甚三郎は...
中里介山 「大菩薩峠」
...いたずらな子どものことだから...
新美南吉 「子どものすきな神さま」
...(ペルシウス)(a)守銭奴はその財宝のいたずらなる保全のために神に祈る...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...すると娘のいる座敷で誰か立ち上るような音がしたが、すぐその音が近づいて来た、自分の胸はときめいた,注意はもウその音一ツに集まッてしまッて心は目の前にその人の像(かたち)を描いていた,その人の像はありありと目の前に見えるのに、その人は自分の背(うしろ)へ立ッて、いたずらな、自分の頸毛(ちりげ)を引ッ張ッて,「秀さん、いい物をあげるからいらッしゃい」「いい物?」いい物とは嬉しい、と思いながら、嬉しさにほとんど夢中となり、後に続いて座敷へはいると紙へくるんだ物をくれた,開けて見るとあたり前の菓子が嬉しい人から貰(もら)ッた物、馬鹿なことさ、何となく尊く思われた,破(こわ)さないように、丁寧に、そっと撫でるように紙へくるんで袂(たもと)へしまうのを、娘はじッと見ていたがにッこりして,「秀さんいい物を拵(こし)らえて上げましょう」「どうぞ」娘は幾枚となく半紙をとり出して、「そらようございますか、これが何になるとお思いなさる,これがね」ゆッたりした調子で話し始めた...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...――いたずらなら笑って済ませる...
山本周五郎 「屏風はたたまれた」
...この姫君はよほどいたずらな性質(たち)で色々な男に関係したらしく...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...敵にいたずらな矢数をつかい果たさせるため...
吉川英治 「三国志」
...日頃も父や兄を忘れているからこんな苦しみにいたずらな煩悶をするのです...
吉川英治 「三国志」
...いたずらな諜報はすべて信じられなかった...
吉川英治 「三国志」
...そして筑紫入りにいたずらな大兵は要すまいという見解に次いで...
吉川英治 「私本太平記」
...いたずらなる嘆きをいわなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...いたずらな昂奮(こうふん)の上に彼をも乗せた...
吉川英治 「松のや露八」
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