...いささかも黒人(くろうと)らしくなかったと聞いている...
泉鏡花 「薄紅梅」
...されども渠はいささかも心に疚(や)ましきことなかりけむ...
泉鏡花 「海城発電」
...あるいはなめくじの曲を持つてこようといささかもかまうところはないのである...
伊丹万作 「映画と音楽」
...形質がいささかも違わぬ...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...なにを命じるかをいささかも顧慮せぬゆえに」彼もまた用心深くあらねばならぬ...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...いささかも和(やわら)げてもらいたくないのである...
太宰治 「虚構の春」
...いささかも害心のないことを示すことにした...
太宰治 「畜犬談」
...いささかも不思議とは思っておりませんでした...
橘外男 「仁王門」
...露いささかもしるはずはなかったであろうと思われます...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...嫉妬などはいささかも感じませんが...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...悲壮のようなものはいささかも感ぜられなかった...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...関森はさういふ持前の顔つきをいささかも崩すことなしに...
牧野信一 「沼辺より」
...いささかも母親の所行を難じてはゐなかつた...
牧野信一 「裸虫抄」
...「犬婦連は官憲の横暴に対しいささかも怯むことがありません」マーサは鋭く叫んだ...
R. マッケナ R. McKenna The Creative CAT 訳 「愛と月の犬」
...いささかも隙というものがありません...
山本周五郎 「松林蝙也」
...……城中の消息はいささかも知れなかったゆえ...
吉川英治 「黒田如水」
...もういささかも陣中では留守を案じて下さるな――と...
吉川英治 「新書太閤記」
...それによって自分の運命に対する信頼の念はいささかも減じないが...
和辻哲郎 「自己の肯定と否定と」
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