...いかめしい顔つきで...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...この妖虫は、いかめしい、ずうたいのわりには、おそろしく、ぶきようなやつです...
江戸川乱歩 「鉄塔の怪人」
...「先生は……」一層いかめしい声をして...
高見順 「如何なる星の下に」
...男子にも珍らしいくらいの大きないかめしい顔をしているお婆さんに...
太宰治 「男女同権」
...そんないかめしい役所へ出て...
太宰治 「春の盗賊」
...いかめしい大名の奥御殿(おくごてん)に住む姫君と母とは...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...名前だけ聞いたところではたいそういかめしいお役所のような気がして...
寺田寅彦 「鉛をかじる虫」
...いかめしいやうすでした...
豊島与志雄 「シロ・クロ物語」
...昂然(こうぜん)としたいかめしい調子で答えた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...いかめしい咳払(せきばら)いをして...
中里介山 「大菩薩峠」
...いかめしい煉瓦造りの裏門から...
西村陽吉 「夕がたの人々」
...こんなりっぱな椅子にすわったことなんかないんです」「それなのにこんないかめしい物腰で描いてもらうんですか? まるで裁判所の長官のようにすわっていますね」「そうです...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...いかめしい顔つきになって...
久生十蘭 「西林図」
...偽装いかめしい氷海の見物客(メール・ド・グラス)ばかり...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...「まあ、何ということを! このお人は!」浪路は、心からおこったように、大きな目で、彼を見据えて、「お上の御寵愛が、どのように深かろうと、それが、わたしに何のこと!」と、激しくいって、「そなたは、わたしが、好んで、御殿へなぞ上ったとお思いなさりますの? あの、窮屈で、いかめしい、何のよろこびもない、牢屋のようなところへ――そして、お上が、どんなお方かさえも、御存知なさらぬ癖に、憎い憎い、そのようなことを――」「恐れながら、上さまは、この世のいかなるお方さまよりも、御権威のお方とのみ、存じ上げておりますゆえ、世上の女性方は、あなたさまの御境涯を、お羨み申さぬものとてござりませぬ――そのおん方さまの御愛を、お身お一つにおしめなされていられますあなたさま、こうして、直(じ)き直きお言葉を交していただきますさえ、何とのう辱(かたじけ)なさすぎる気がいたしまして――」雪之丞は、ますます女ごころを、焦(い)ら立たせようとする...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...いかめしい今後続いてあるはずの産養(うぶやしない)の式などに不便であって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...(ルクレティウス)(a)あんなにおおぜいの狂暴で勇猛な鎧武者(よろいむしゃ)から成るあのいかめしい隊列や...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いかめしい辞令書を貰った...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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