...ただ神体のない空虚な宮殿のような空(そら)いかめしい興なさを感じさせるばかりだった...
有島武郎 「或る女」
...みょうなお城のようないかめしいやしきが建っているのです...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...いかめしい錠前がぶら下っている...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...万里(ばんり)の長城(ちょうじょう)みたいにいかめしい土塀(どべい)や...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...そしていかめしい目鼻だちをした農夫は...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そんないかめしい役所へ出て...
太宰治 「春の盗賊」
...頬髭(ほおひげ)いかめしい年輩の執事が訪れて来ました...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...が、それにしても、頬髯いかめしい、あから顔の四十いくつかの左近将監が、しきりに待ちきっていた碁のあいてというのは、こんな年端(としは)もいかぬ少年だったのでしょうか? しかもくりかえしてこの少年のけだかいこと、うつくしいことは、なんと水際だっていたことでしょう...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...三羽のいかめしい猛鳥が宿っていたが...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...そのいかめしい探究の可能的結果については...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いかめしい顔をし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いかめしい咳払(せきばら)いをして...
中里介山 「大菩薩峠」
...第一信は活版ずりで何だかいかめしい文字が並べてある...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...この人はいかめしい椅子にすわっているじゃないの」「みんな作りごとよ」と...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...」と、七色の虹猫は、いかめしい、もつたいらしい、作り声で答へました...
宮原晃一郎 「虹猫の話」
...あんまりいかめしい調子で云い迫ったので向うの奥さんらしい声はへどもどしながら...
宮本百合子 「黒馬車」
...いかめしい武士に囲まれて...
吉川英治 「新書太閤記」
...もとよりいかめしい武装のままである...
吉川英治 「新書太閤記」
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