...(卓子(テエブル)に伸上る)はは、いかさま、いや、若様...
泉鏡花 「海神別荘」
...今でも猶だ其根性が失せないから大きな詐偽や賭博(ばくち)の欺瞞(いかさま)をやつて実業家だと仰しやいますヮ……」と滔々(たう/\)と縁日の口上口調で饒舌(しやべ)り立てる大気焔に政治家君も文学者君も呆気(あつけ)に取られて眼ばかりパチクリさせてゐた...
内田魯庵 「貧書生」
...いかさま賽(さい)の行商人...
谷譲次 「踊る地平線」
...前掲(ぜんけい)の老芸人の話では春琴の三味線を蔭で聞いていると音締(ねじめ)が冴(さ)えていて男が弾いているように思えた音色も単に美しいのみではなくて変化に富み時には沈痛(ちんつう)な深みのある音を出したといういかさま女子には珍しい妙手であったらしい...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...同じ露店の大道商人となるとも自分は髭を生し洋服を着て演舌口調に医学の説明でいかさまの薬を売ろうよりむしろ黙して裏町の縁日(えんにち)にボッタラ焼(やき)をやくか粉細工(しんこざいく)でもこねるであろう...
永井荷風 「日和下駄」
...「いかさまこれは...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここへ並べた詐欺物(いかさまもの)の酒の看板を見ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...いかさま古い建物と思われて...
夏目漱石 「三四郎」
...いかさま師をうんと云うほど...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...硯はいかさまになりぬらん...
樋口一葉 「あきあはせ」
...父はいかさまに為(な)し給ふらんなど怪しき事を思ひよる...
樋口一葉 「あきあはせ」
...法螺吹(ほらふ)き、いかさまの、ペテン師の、この乾物屋の主人(おやじ)のような奴ばかりうようよしている、これがマルセーユだ!二、憐れなるかな網焼肉(シャトオブリヤン)の命乞い...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...しかもその背後にいかさま師がひそんでいる場合のあることも聞いている...
平林初之輔 「中西氏に答う」
...田舍新聞のもぐり記者其他々々」とこれ等いかさま社會主義者の合成分子を指摘したのでもそのことは知れる...
平林初之輔 「中西氏に答う」
...いかさま師とか藪医者と呼びました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...「半助はいかさま賽(さい)を作る名人なんだってよ」徳さんの云ったことを伝聞したたんば老人は...
山本周五郎 「季節のない街」
...いかさまステテコを売り物にお笑い専門の人気男...
山本笑月 「明治世相百話」
...正直者を食いものにする大嘘つきのいかさま師だ...
吉川英治 「大岡越前」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??