...いい年をして娑婆気(しゃばっけ)な...
泉鏡花 「歌行燈」
...意地の悪そうな、下品な女中に案内されて二階に上り、部屋に通されて見ると、私は、いい年をして、泣きそうな気がした...
太宰治 「東京八景」
...いい年をして大えばりで書いて...
太宰治 「如是我聞」
...まさかにいい年をして...
橘外男 「雷嫌いの話」
...私という人間はいい年をしてよほどの...
橘外男 「雷嫌いの話」
...いい年をしてチゴの心境を解した時には事もあろうに...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...」「若い人たちならとにかく、いい年をして、なんでしょう...
豊島与志雄 「庶民生活」
...いったい、あのおばさんのどこが、イヤなおばさんなのでしょう」「うむ――どこといって聞かれては、わしにもわからないがね、いい年をして、若い男を可愛がるなんぞは、ずいぶん、イヤなおばさんの方じゃないか」「浅吉さんのことですね……ですけれどもね、年上の女の人が、若い男を可愛がるのはいけないことか知ら...
中里介山 「大菩薩峠」
...いい年をして人前へ若いのを引っぱり込んで来たと言えば...
中里介山 「大菩薩峠」
...物事はそう取越し苦労ばっかりするもんじゃねえ、神仏がいいようにして下さらあ、縁は異なもの味なもので、人間業に行って行かねえやつなんだ、早い話が、甲府勤番支配駒井能登守が、この大海原の真中の離れ島の椰子の木の下で、おれの娘分のお松と出来合うなんていうことが、仏様だってあらかじめ御存じのある事じゃあるめえ、それと同じことに、あの娘だって、どうしようの、こうしようのと、おれがここでやきもき思ったからとて、どうなるものか、冗談は言いっこなし、いい年をして、そんなことができるかい、そんなことをしようものなら、みんなの示しがつくと思うかい、なに、駒井の親玉でさえもあれじゃないか、お前のはそれよりもっと素姓がいいんだぜ、村方総出で許されて来たんだぜ、あの時、村方の者が何と言った...
中里介山 「大菩薩峠」
...だが、いい年をして、木口あたりの手下になって、頭を下げに来る、老爺の人のよい姿を見ると、鐚も物の哀れを感じないわけにはゆきません...
中里介山 「大菩薩峠」
...いい年をしているくせにろくな捕物をしたことはないが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「そんなに泣くほど切なかつたのかねえ‥‥」「‥‥‥‥」「いい年をして‥‥」いい年をしてと云はれると...
林芙美子 「或る女」
...いい年をしてたあいもないことは言ひ觸らして貰ひたくないもんだ...
室生犀星 「命」
...」「いやだよ、いい年をしてさ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...いい年をしているからには構わんわいという気がしたが...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...「いい年をして不注意じゃないか...
山本周五郎 「思い違い物語」
...いい年をしてばかなやつだ...
山本周五郎 「五瓣の椿」
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