...あわや狼藉(ろうぜき)というところへ飛び出したのが僕だった...
海野十三 「恐しき通夜」
...もう一瞬間であわや相手を一撃のもとに打ち殺しそうな劍幕だった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...あわやというような瞬間が...
中井正一 「支部図書館三周年に寄せて」
...「誰?」あわや戸を立てきって...
中里介山 「大菩薩峠」
...壊血病であわや死籍に入りかけるほどの苦楚をなめたうえ...
久生十蘭 「南極記」
...あわや店仕舞いもしかねないほどの正念場ということです...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...積み過ぎてあわやと言う間に底を見せる短艇...
牧逸馬 「運命のSOS」
...阿波屋(あわや)の下駄...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...もう、てめえの面(つら)は死相に変って来ているじゃねえか!」ジリジリと食い迫ッてきたなと思いますと、あわや、右風左風(うふうさふう)のだんびら、閃々たる光流をほとばしらせて、たとえば一体六臂(ぴ)の魔神から一時に数十本の剣が振り出されてくるように、その殺気と隙間なき剣の交錯の前には、とても、面(おもて)を向くべくもありません...
吉川英治 「江戸三国志」
...炎の影の映(うつ)る所へばかり兵を向けてあわや奔命(ほんめい)に疲れかけようとしていた...
吉川英治 「黒田如水」
...あわや鍔競(つばぜ)り――双方必死の足技(あしわざ)を試みつつ...
吉川英治 「剣難女難」
...あわや玄徳の面を突こうとした刹那...
吉川英治 「三国志」
...――もういちどその舌の根をうごかしてみろ! ただは置かんぞッ」あわや剣を抜いて躍りかかろうとするかの血相に...
吉川英治 「三国志」
...あわやという間(ま)に竹童(ちくどう)のからだを...
吉川英治 「神州天馬侠」
...あわや馬を張清へ向って駆らんとしている...
吉川英治 「新・水滸伝」
...あわや! とみえた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...袖に巻いて、あわや、自分の喉笛(のどぶえ)――グサッと突き立てそうにしたので、万吉があわてて袖を引っ張ると、お綱はそれを振りもぎって、パタパタと奥の部屋へ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...あわや焔になろうとする真っ黒な一巻を救いあげた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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