...併し自分の「あれもこれも」は恐らくはフオルケルトのそれではない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...あれもこれも持上がる...
石川啄木 「病院の窓」
...あれもこれもの猟犬を...
太宰治 「春の盗賊」
...もう血痰ではなくなつた病んでしづかな白い花のちる蜂がにぎやかな山椒の花かよ・ぶらぶらあるけるやうになつて葱坊主・あけはなつやまづ風鈴の鳴る・山ゆけば山のとんぼがきてとまり・あれもこれもほうれん草も咲いてゐる(帰庵)五月二日五時を待ちかねて起床...
種田山頭火 「其中日記」
...あれもこれもとよけいな取越苦労をしながら待ちくたびれていましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...あれもこれもと知りつくした...
長谷川時雨 「神田附木店」
...あれもこれも胸を突いてきて...
長谷川時雨 「紫式部」
...あれもこれも喋舌(しやべ)りたかつた...
林芙美子 「浮雲」
...あれもこれも書きたい...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ずつと/\はぢめの頃に溯つて、あれもこれも、あれからこれと、ふら/\と追ひかけて――まつたその頃は、たとへば僕など、文科の学生でありながら文学々生ではなく、小説家といふものは何ういふものか、西洋にも日本にも現在何んな小説家がゐるのやらも知らぬといふ飛んでもないたゞの、つまり何ひとつこれといふて選科を知らぬまるつきり漠然たる阿呆学生だつた、永代橋のちかくにあつたおぢさんの家に居て、学校へは行くと云ひながら、成るべく学校へは行かずに、ポツポツといふ蒸気船が未だ仲々威勢好く見えたりして、おつとりとこれに乗つかつて「漫遊」に耽つてゐた頃、小説を読め/\とすゝめるのが、その家の娘で、大層な文学好きだつた...
牧野信一 「「尾花」を読みて」
...あれもこれもあきらめてしまはなければならない――など今更のやうに思ふと...
牧野信一 「冬の風鈴」
...あれもこれもさもありなん式の傍観性としてだけしか物の役に立たないでいるところ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あれもこれも根こそぎまちがっていて...
三好十郎 「清水幾太郎さんへの手紙」
......
室生犀星 「愛の詩集」
...あれもこれも同じ弘法大師の仕事のように...
柳田國男 「日本の伝説」
...あれもこれも考えればまるで夢のようだ...
山本実彦 「十五年」
...あれもこれも話さうと...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...あれもこれも母の枕べにともる灯かと思われた...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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