...今夜こそ仏法(ぶつほふ)のありがたさも身にしみつれば...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...しかし、それはさように考える方が間違いで、暁の鐘の音、夕を告げる鐘の音を聞くにつけても、私どもは、死に直面しつつある生のはかなさを痛感すべきではあるが、しかもそれによって、私どもは今日生かされている、生の尊さ、ありがたさを、しみじみ味わわねばいけないということを唄(うた)ったものです...
高神覚昇 「般若心経講義」
...コロリ往生――脳溢血乃至心臓麻痺でくたばる事だ――のありがたさ...
種田山頭火 「行乞記」
...△梅干のうまさよ、ありがたさよ...
種田山頭火 「行乞記」
...井上さんから貰つてきたトンビのありがたさよ...
種田山頭火 「其中日記」
...熟睡のありがたさ...
種田山頭火 「其中日記」
...Hさんからうれしい手紙が来た、般若湯代が入れてあつた、さつそく湯田へ行く、山口を歩く、飲む食べる、……友のありがたさ、湯のありがたさ、酒のありがたさ、飯のありがたさ……何もかもありがたかつた、そして買物いろいろさまざま、それを肩にして、帰途、農学校へ寄つて、今日は私が一升買つた、ちようど宿直の樹明君とI君と三人で畜舎の宿直室で飲んだが、ちりがうまかつた、帰庵したのは十時頃か、少々飲みすぎて苦しかつた...
種田山頭火 「其中日記」
...――朝湯のうれしさありがたさ...
種田山頭火 「其中日記」
...菜葉のありがたさが身にしみる...
種田山頭火 「其中日記」
...その時に痛切に感じたことは日本の陸地測量部で地形図製作に従事している人たちのまじめで忠実で物をごまかさない頼もしい精神のありがたさであった...
寺田寅彦 「地図をながめて」
...雌牛のありがたさは...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...今は表現以上のありがたさです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ウットリした夢心地になって行く……その気持ちよさ……ありがたさ……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...笑嶺和尚(しょうれいおしょう)に導かれた禅の味境のありがたさを今感じる...
吉川英治 「新書太閤記」
...ただ冥加(みょうが)のほどおそれます」秀吉はありがたさの余り...
吉川英治 「新書太閤記」
...その歓涙に瞼(まぶた)は霞んで、御霊廟(みたまや)の龕(がん)は、虹のような光をぽっと滲(にじ)ませ、あたりには、馥郁(ふくいく)と、蓮華(れんげ)が舞う心地がし、その寂光万華(まんげ)の燦(かが)やきの裡に、微笑したもう太子三尊のおん姿が見え、亡母の吉光御前や、妻の玉日も、その辺りに在るがような心地がして、ありがたさに、われをも忘れて声をあげて、和国教主の聖徳皇広大恩徳謝(しゃ)しがたし一心に帰命(きみょう)したてまつり奉讃不退ならしめよ!――刻、刻、刻、一瞬の間を刻(きざ)んで、彼のうしろには、鋭い刃が近づいていたのである...
吉川英治 「親鸞」
...ただありがたさで...
吉川英治 「親鸞」
...その後に口に殘る一種の餘香餘韻が酒のありがたさである...
若山牧水 「樹木とその葉」
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