...二人で歩行板(あゆみいた)を衝(つ)と渡って...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...野の羊へ野をひそひそとあゆんでゆく羊の群よ...
大手拓次 「藍色の蟇」
...品川堀に沿うて北へ歩(あゆ)む...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...阿諛(あゆ)的な追従(ついしょう)を見ると恥ずかしかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...先輩もしくは親分と称する阿諛(あゆ)の目的物なぞ一切皆無(かいむ)たりとも...
永井荷風 「日和下駄」
...この附近で香魚(あゆ)が捕れてその味が至極よろしいこと...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの堕落、阿諛(あゆ)、迎合、無気力を極めた田沼の時代でさえ、世に逢ふは道楽者におごりものころび芸者に山師運上となげいた市民には、まだ脈がある……それから問題が一転して、この席へ、お雪の姿が見えないという不審がみな一致しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...阿諛(あゆ)に堕(だ)するに甘んじないかぎり...
中島敦 「李陵」
...阿諛(あゆ)と諂佞(てんねい)に取巻かれ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そのさきにあった群衆の方に歩(あゆみ)をうつした...
浜尾四郎 「夢の殺人」
...左右(さゆう)を見(み)ずして直(ひた)あゆみに爲(せ)しなれども...
樋口一葉 「たけくらべ」
...或(あるい)は鮎(あゆ)の鮨(すし)に茶菓子が出る事もあり...
村井弦斎 「食道楽」
...そして霹靂(はたたがみ)の歩(あゆみ)をして245極(き)まった軌道を行く処まで行く...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...仕(つかへ)の道をあゆみしも...
森鴎外 「舞姫」
...かなしみながら窓(まど)ぎわにあゆみよりました...
グリム Grimm 矢崎源九郎訳 「三人の糸くり女」
...どんな過去をあゆんで来た人か知らないが...
山本周五郎 「新潮記」
...まあゆっくり芳月軒で話そう...
夢野久作 「暗黒公使」
...『えっ、そんなことは……じゃあ、一緒に家へ来ないか――』彼はギクリとしたように立ち上ると、もう出口の方へ、あゆみはじめた...
蘭郁二郎 「蝕眠譜」
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