...その川の水があふれると...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「コウノトリ」
...部屋にあふれる月の光...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...王成の望みは満ちあふれるほどであった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「王成」
...飲みすぎの胃袋が梅雨ちかい空おべんとうひろげるまうへから陽がさす・水もさつきのわいてあふれる女房に死なれて子を負うて暑い旅若竹がこまやかなかげをつくつてゐた黎々火居二句夜もふけた松があつて蘭の花盛花がおちてゐるコクトオ詩抄本日の所得米 一升一合銭 五十六銭フクロウはうたふ...
種田山頭火 「行乞記」
...・春寒い鼠のいたづらのあと・春がしける日のなにもかも雑炊にしてすする・たたきだされて雨はれる百合の芽である・春時化のせせらぎがきこえだした・林も水があふれる木の芽土のしじまの芽ぶいてきた雑草草萠えるあちらからくる女がめくら籠りをれば風音の煤がふる暮れるまへの藪風の水仙の白さどこかで家が建つだいぶ日が長うなつた・やつと山の端の三日月さん追加一句春時化(シケ)...
種田山頭火 「其中日記」
...何か焦げるにほひの・こゝまではあるけたところで熱い温泉(ユ)がある(山口へ)・あかるくあつくあふれる湯にひたりおもひで(湯田入浴)・惜しみなくあふるゝよながるゝよ(途上即事)・街からついてきた蠅で打つ手は知つてゐるゆふべおもむろに蠅は殺された・打つ手を感じて蠅も私もおちつかない草が青うてどこかの豚が出て遊ぶ・よい湯あがりのはだかであるく雑草の風(追加)五月廿四日すばらしいお天気のつゞくことである...
種田山頭火 「其中日記」
...・風をおきあがる草の蛇いちご・鳴きつつ呑まれつつ蛙が蛇に・雨をたたへてあふるるにういて柿の花・霽れててふてふ二つとなり三つとなり・いつでも植ゑられる水田蛙なく・夏めいた空がはつきりとあふれる水『性慾といふもの』性慾といふものは怪物である...
種田山頭火 「其中日記」
...なるほど!」喜びあふれる叫び声をあげて...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...クリストフにあふれるばかりの敬意を示していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あふれるような含蓄のあったのが...
野村胡堂 「胡堂百話」
...つかれた生涯(らいふ)のあぢない晝にも孤獨の暗い部屋の中にもしぜんとやはらかく そよげる窓の光はきたるいきほひたかぶる機能の昂進そは世に艶めけるおもひのかぎりだ勇氣にあふれる希望のすべてだ...
萩原朔太郎 「青猫」
...涙があふれる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...舗道にあふれる朝の鎮魂歌……...
原民喜 「鎮魂歌」
...あふれるばかりゆたかな...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...そんな人がいてくれればね」何を話していても死んだ人を惜しむ心があふれるように見えるのを中の君は哀れにも思い...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...加茂川もあふれるほどだった...
吉川英治 「源頼朝」
...川の水があふれると「海が見える」と言う...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...超人間的な力と威厳とがあふれるように盛られてあるのです...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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