...まるで小学生みたいなあどけない調子で答えたのである...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...あどけない空想をしているんだから之(これ)も落第...
太宰治 「花吹雪」
...身勝手なことや無理をいうほど余計様子が可愛くみえるのでござりましたが大方そのときはあどけない中にも一種の熱がこもっていたのでござりましょうか...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...そんなあどけない様子でいながら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...あどけない瑞々(みずみず)しい頬...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それに去年ここで生れた、あどけない雛が、見ちがえるばかり、いっぱしの若鳥となって、親兄妹と翼を並べて戻ってくるのも嬉しくめでたい...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...私は柱鏡のなかの姿にあどけない笑顔をこしらえてみる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...あどけないみたいに眼を見はって...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...優(やさ)しいあどけない口調で口を挾んだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...お前のそんな黒いあどけない顏に...
堀辰雄 「麥藁帽子」
...世にもあどけない限りの子供っぽい顔に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」
...何処に行きませう?」といつも機嫌のいゝ時に見せるあどけない顔をして...
水野仙子 「散歩」
...あどけないほど柔軟で匂やかな嬌(なま)めかしさをもっていた...
山本周五郎 「つばくろ」
...元のあどけない桃色にさしかわって行くにつれて...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...鶴姫のあどけない顔までが...
吉川英治 「私本太平記」
...まだ三歳のあどけない男の子を...
吉川英治 「新書太閤記」
...「…………」列座の諸将の眸はみなこのあどけない遺孤(いこ)に注がれていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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