...噂の主の御来臨だぞ』と低い声で『うんとおだてて嬉しがらせてやれよ』友達はあどけない顔をして私の傍にまいり『僕...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...昭和二・一あどけない話智恵子は東京に空が無いといふ...
高村光太郎 「智恵子抄」
...彼女はその鋭い視線を避けるように身をすぼめ、あどけない、ふっくらとした面立(おもだ)ちを伏せて、早く恐ろしいものゝ通り過ぎるのを祈っているような風であったが、河内介は、彼女の肩を蔽うているつや/\しい黒髪と、膝の上に置かれた手の、すぐれて白く細長い指の線とを見守っているうちに、再びあの痙攣のような薄笑いを口元に浮かべて、「お久」と呼んだ...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...あるあどけない若女房(わかにょうぼう)で...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...眼や頬のあどけない表情によってであった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...あどけない顔には楽しげな微笑みが浮かんでいる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...彼は祖父の教訓とあどけない夢想とに頭が満されていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私は柱鏡のなかの幻にあどけない笑顔をこしらえてみた...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...何処やらの人が子供の時うつした写真だといふあどけないのを貰(もら)つて...
樋口一葉 「ゆく雲」
...こんなあどけない歌を...
久生十蘭 「キャラコさん」
...あどけないみたいに眼を見はって...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...あどけない無心の百合香に頬ずりしながら...
火野葦平 「花と龍」
...何処に行きませう?」といつも機嫌のいゝ時に見せるあどけない顔をして...
水野仙子 「散歩」
...並はずれて丈がつまっているだけどこやらあどけない愛嬌さえある...
宮本百合子 「毛の指環」
......
室生犀星 「愛の詩集」
...しかし私はこのあどけない少女に何故嘘を言わせなければならなかったか...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...あどけないほど無恐怖(むきょうふ)でいる白い顔を...
吉川英治 「新書太閤記」
...四歳のあどけない小娘だけだ...
吉川英治 「夏虫行燈」
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