...また讀みかけたものだからとあつかましく構へて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...あつかましく両人のあとに随(したが)った...
江戸川乱歩 「殺人迷路」
...部屋が丸見えのところにあつかましく坐り込んでいる私の眼から隠れて脱ぐことはできないわけだが...
高見順 「如何なる星の下に」
...酔った上のご冗談でも何でも無く、ほんとうに、それから四、五日経(た)って、まあ、あつかましくも、こんどはお友だちを三人も連れて来て、きょうは病院の忘年会があって、今夜はこれからお宅で二次会をひらきます、奥さん、大いに今から徹夜で飲みましょう、この頃はどうもね、二次会をひらくのに適当な家が無くて困りますよ、おい諸君、なに遠慮の要らない家なんだ、あがり給(たま)え、あがり給え、客間はこっちだ、外套(がいとう)は着たままでいいよ、寒くてかなわない、などと、まるでもうご自分のお家同様に振舞い、わめき、そのまたお友だちの中のひとりは女のひとで、どうやら看護婦さんらしく、人前もはばからずその女とふざけ合って、そうしてただもうおどおどして無理に笑っていなさる奥さまをまるで召使いか何かのようにこき使い、「奥さん、すみませんが、このこたつに一つ火をいれて下さいな...
太宰治 「饗応夫人」
...あつかましくも質流れの紋服で身を飾り...
太宰治 「新釈諸国噺」
...なんだか妙にあつかましくなってきた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...あつかましくもお願いに上ったわけなのですが……早く申しますと...
中里介山 「大菩薩峠」
...あつかましくも独占するつもりなのだろうか? 無神論者たちが同様に作用という言葉を共有して...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...その連中はあつかましくゴンドラとすれすれに進みながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...場所柄の無拘束をあつかましくのんきにたのしんでいる裸形に並んで...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...あつかましくがんこに...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...さすがにあつかましく押し出すにたえ得なかったのであった...
宮本百合子 「現代文学の広場」
...こうしてあつかましく出ていますわれわれはまだ何がどうであったのかも理解できないでおります...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...われこそとあつかましく自己推薦をする者もない...
吉川英治 「三国志」
...漸蔵主は、あつかましく、なおでんと坐って、舌をふるいかけたが、左衛門は睨みすえて、「夜に入る前に、木曾川向うまで引きあげぬと、いかなる災害(さいがい)が身に及ぶやもしれぬぞ...
吉川英治 「新書太閤記」
...「おことばにあまえて、あつかましく、やって来ました」という宋江へ、花栄は大きく手を振って、「なんだ、水くさいことを...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いくらあつかましくっても...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...一緒に阿波へお帰んなさいな」「いくら私があつかましくても...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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