...あちこちに身(み)を潜(ひそ)めて居(お)りました...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...いくつかの凧が窓のやうにあちこちに嵌められて居る或る日の午後に...
有島武郎 「お末の死」
...田圃のあちこちに葭の生ひ茂つた水溜りがあり...
心猿 「荷風翁の發句」
...ことに見失った兵隊がこのように密林をさまよっているうちに飢餓(きが)のためあちこちに倒れて行くものらしかった...
梅崎春生 「日の果て」
...場内のあちこちにぶら下っているポスターを眺めまわした...
海野十三 「暗号数字」
...彼等は甲板のあちこちに寝ころんで呶鳴(どな)りながら話し合っていた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...しかも私の頭のあちこちに小さい禿(はげ)があるのを...
太宰治 「新釈諸国噺」
...最近はあちこちに分散し...
知里真志保 「生きているコタンの銅像」
...故郷の鎭守の森の杉の木蔭のあちこちに簇生して居た可憐な藪柑子の姿は...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...あちこちに起ってきた...
直木三十五 「寺坂吉右衛門の逃亡」
...花もあちこちに咲いているようでしたが...
夏目漱石 「行人」
...燃え残る薪(まき)があちこちに煙をあげております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あちこちに燃えていた篝火(かがりび)を消した上で...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...様々な色柄の毛皮があちこちに置いてあり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...あちこちに素見客の惡口をつき合ふ小競合や...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...水の面(おもて)からまっすぐに突(つ)きでてる岩の柱(はしら)もあちこちにありますし...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...國歌君ヶ代の是々非々論をあちこちに見かける...
吉川英治 「折々の記」
...そういう地上に、また、突(とっこつ)として、あちこちに、宏大な浄土の荘厳をほこっている堂塔伽藍(がらん)の仏閣が散見できる...
吉川英治 「平の将門」
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