...あたかも記念碑の正面にむかひあひたるが見え候...
泉鏡花 「凱旋祭」
...この巨人は表広間の壁から金色(こんじき)の片腕を突き出していて★、――あたかも、自分は自分をこのように高価な金属に打ち換えてしまったのだが、訪問者も片っ端から同じ風に金に変えてやるぞと嚇(おど)しつけてでもいるかのようであった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...さればわが本隊先鋒隊はあたかも敵の艦隊を中央に取りこめて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...あたかも眼が見えるように事物や人物のことを話した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あたかも彼らは自ら天使であることを感じ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あたかも恐ろしい病のために相好をくずされたかのようだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あたかもその足は床に釘(くぎ)付けにされてるがようだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あたかも一度打ち負けた者が再び勝利に手をつけ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...彼はその序にいへる如く北斎の本国においてはあたかもその頃(明治二十五年)飯島半十郎(いいじまはんじゅうろう)著『葛飾北斎伝』二巻の出版せられたるを知りこれをも参照したりしがなほ足れりとせず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...「僕は君と違ってどうしても下等社界の方に同情があるんだからな」小林はあたかもそこに自分の兄弟分でも揃(そろ)っているような顔をして...
夏目漱石 「明暗」
...あたかもそれを待ち設けでもしていたかのように...
堀辰雄 「菜穂子」
...あたかもかの女がまたすぐ出てくるのを信ずるやうに...
堀辰雄 「眠れる人」
...あたかも尿が腎臓から排泄されるように...
三木清 「マルクス主義と唯物論」
...あたかも他のすべての自然物と同じように産みふやされたものである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あたかもそれは、ナポレオンの軍馬が破竹のごとくオーストリアの領土を侵蝕(しんしょく)して行く地図の姿に相似していた...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
...あたかもこれを家憲としているかのようにである...
吉川英治 「私本太平記」
...あたかもそうした崇高な一瞬に似ていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼はあたかも在宅であった...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??