...病院にいれば気ばかりあせるし...
芥川龍之介 「母」
...生命(いのち)さえ忘れ果てて肉体を破ってまでも魂を一つに溶かしたいとあせる...
有島武郎 「或る女」
...身を脱(のが)れんと悶(もだ)えあせるを容赦(ようしゃ)なく引出(ひきいだ)しぬ...
泉鏡花 「活人形」
...頻(しき)りにあせる一匹の猿あり...
巌谷小波 「こがね丸」
...あせるな/\、あせらないでどつしりとしてをれ...
種田山頭火 「其中日記」
...何にも言うことがない前からしゃべろうとあせる者は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...出来得る限り何(なん)でもかでも統一しようとあせる結果...
夏目漱石 「中味と形式」
...生焼(なまやき)のビステッキなどを食っちゃいられないんだ」「ハハハハまたあせる...
夏目漱石 「野分」
...実業家が主人苦沙弥(くしゃみ)先生を圧倒しようとあせるごとく...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...一筋の光明を見出そうとあせるのです...
野村胡堂 「九つの鍵」
...あせると一つづつ縮尻(しくじり)を重ねて證據を撒(ま)き散らして行くから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...惜しいが、あせるまい、今に、もっといゝ話がドン/\来ると思ふ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...この船を売つてしまはうとあせるのでしたが...
牧野信一 「船の中の鼠」
...あせればあせるほど脚がもつれ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...笑あせるな野郎、ちきしょうめ、――やい、なんでもいいから金を出せ」「――気の毒だが金はない」「てめえおれを素人だと思ってるのか、これだけの大屋敷で金がねえ、へっ、金はないってやがる、ばかにするなってんだ、やい起きろ、こっちあちゃんとめどをつけて来たんだ、四の五のぬかすと家捜しをするぞ」「それはいい思いつきだ、遠慮はいらないからすぐやってみろ」成信はさらに、こうつけ加えた...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...こいつを斬ってしまう」「笑あせるな...
山本周五郎 「七日七夜」
...しかも、気があせるので、音を立てずに登ることは、不可能にちかい...
山本周五郎 「山彦乙女」
...気はあせる...
吉川英治 「私本太平記」
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