...胸の中に公式を組立てようとあせった...
海野十三 「地球を狙う者」
...そのとき、小林少年が、ふと虎井博士の顔を見あげますと、博士のひたいには、あせの玉が、いっぱいにふきだしていました...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...あたしは王妃さまにだけは嘘(うそ)をつくまいと思っていますし、また、嘘をついても、それにだまされるような王妃さまでもございませんから、あたしは感じた事、思っている事を、のこらず全部申し上げようと、あせるのですが、申し上げたいと思う心ばかりが、さきに走っていって、言葉が愚図愚図して、のろくさくて、なかなか、心の中のものを、そっくり言い現わす事が出来ません...
太宰治 「新ハムレット」
...矢張いくらか結婚を焦(あせ)る気持が...
谷崎潤一郎 「細雪」
...飲むと汗(あせ)になると知りつゝ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...猿(さる)は顔(かお)から汗(あせ)を流(なが)しながらいいました...
豊島与志雄 「人形使い」
...売名にのみ心あせるものの長く堪(た)ふべき所ならず...
永井荷風 「書かでもの記」
...又は子供を背負つた児娘(こむすめ)までが笊(ざる)や籠や桶(をけ)を持つて濁流の中(うち)に入りつ乱れつ富裕な屋敷の池から流れて来る雑魚(ざこ)を捕へやうと急(あせ)つてゐる有様...
永井荷風 「水 附渡船」
...大御番並みに扱われて月十両ずつ貰える――たいしたものじゃがあせんか...
中里介山 「大菩薩峠」
...だら/\と垂(た)れる汗(あせ)を水(みづ)で拭(ぬぐ)つた...
長塚節 「土」
...烈(はげ)しき風の捲返(まきかえ)してすくい去ろうと焦(あせ)る中に依然として凝(こ)り固って動かぬ...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...汗(あせ)が少し煮染(にじ)み出(だ)した...
夏目漱石 「それから」
...気ばかりあせります...
新美南吉 「疣」
...流石(さすが)なり商賣(しやうばい)がら燦(さん)として家内(かない)を照(て)らす電燈(でんとう)の光(ひか)りに襤褸(つゞれ)の針(はり)の目(め)いちじるく見(み)えて時(とき)は今(いま)極寒(ごくかん)の夜(よ)ともいはず背(そびら)に汗(あせ)の流(なが)るぞ苦(くる)しき...
樋口一葉 「別れ霜」
...盗汗(ねあせ)は出ませんか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...箇人的なあせりはないのよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...汗(あせ)をながしてる...
山中峯太郎 「小指一本の大試合」
...各砦(とりで)の将士のあせり気味を察して...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??