...いつのまにか葉子はただ一筋に貞世を殺そうとばかりあせっていたのだ...
有島武郎 「或る女」
...中へとびこんで何か目ぼしい品物を取出そうとあせったけれど...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...脂汗(あぶらあせ)が浮んで軈(やが)てタラタラ流れ出した...
海野十三 「空襲葬送曲」
...チロリウムは人類に適度に服用せられて不老不死の大目的を達するという証明の出るやいなや人々はあらゆる醜い争闘を演じてこの稀代の霊薬を手に入れようとあせっています...
海野十三 「放送された遺言」
...デミトリチは額(ひたい)に冷汗(ひやあせ)をびっしょりと掻(か)いて...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...盗汗(ねあせ)を掻(か)くことも始終である...
谷崎潤一郎 「鍵」
...弁信を引捉えて井戸へ投げ込もうと焦(あせ)ります...
中里介山 「大菩薩峠」
...暫(しば)しなりとも広漠な野性に返してもらいたいがために焦(あせ)っている...
中里介山 「大菩薩峠」
...膏汗(あぶらあせ)になって歩いたくらいである...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...あとでくりかえしてよまれても味も匂もあせない本...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...御所へはいるのを阻止したいと皆あせって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...なおろうとあせっても甲斐なきこと・命を延ばそうとすればするだけ苦しみを長引かせ増すばかりであること・を経験したから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...気はいよいよあせるのみだった...
吉川英治 「黒田如水」
...逆軍の義貞も今やあせって...
吉川英治 「私本太平記」
...タラタラと脂汗(あぶらあせ)をながしてしまった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...城兵どもは決戦に焦心(あせ)ってきたが...
吉川英治 「新書太閤記」
...いくら焦躁(あせ)っても...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...余りあせらぬことにしよう」と...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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