...はさみ撃ちにしようとあせる追手の人々...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...刑事はそれを丸めて浸水の箇所を塞ごうとあせる...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...あせる警部を制した...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...あせらずゆっくり考えた...
大阪圭吉 「三の字旅行会」
...安心して息子のいいように、ああせい、こうせいと云うなりに従うて、何時なりと安らかに逝けます」瀬田青年の隣りには、新らしく箱根山と綽名された青年がいて、エスサマ・エスサマ、エッコラサと、懸声であたりを笑わせ、その実回復の切ない希いを、長い闘病の果て戯化せずにいられないような悲しみを私などには思わせていた...
「草藪」
...少し色あせてはいるが...
中井正一 「美学入門」
...此の機會に乘じやうと急(あせ)り狂つて居るものが無くてはならない筈だ...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...水で漬(つ)けたような汗(あせ)であるのにも驚きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...夏の草なればにや矢車のみひとりいつまでも心強げに見ゆれば朝ごとに一つ二つと減り行くに何が殘らむ矢車の花俛首れてわびしき花の斗菜(をだまき)は萎みてあせぬ矢車の花風邪引きて厭ひし窓もあけたればすなはちゆるゝ矢車の花快き夏來にけりといふが如まともに向ける矢車の花五月十日...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...何時かこれを成立させようと喘(あせ)る努力を...
夏目漱石 「それから」
...人知れずあせつたりぐれたりしながら...
南部修太郎 「探偵小説の魅力」
...悪人のあせりようも一段猛烈をきわめて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...酒だ」彌八郎はそれを停めようとあせりますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いのちがけで大願を成就させようとあせっているのさ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...色のあせた袖裏を掴(つか)んで居た...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...打ち解けた様子はないながらになつかしく愛嬌(あいきょう)の添ったふうでものを言う女王があくまでも恋しくてあせり立つ心を薫はみずから感じていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...しきりにあせっているわけは...
吉川英治 「神州天馬侠」
...自身の喉首(のどくび)へ敵手が懸って来たような焦(あせ)りを覚えた...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??