...またほかの連中によれば『善悪は味(あじわい)にほかならず』と云うのです...
芥川龍之介 「不思議な島」
...或は湯を呑み薯を食するに其味(あじわい)の言うべからざるの美を覚えて...
関寛 「関牧塲創業記事」
...凡(すべ)て根柢あるものは含蓄の味(あじわい)あり含蓄の味(あじわい)はいよいよ味(あじわ)つていよいよ深し...
永井荷風 「江戸芸術論」
...到底一言(ひとこと)ではいい現し方のないこの奇妙な食物の味(あじわい)を吟味して楽しむにつけ...
永井荷風 「妾宅」
...食物は衛生と背戻(はいれい)するに及んで真の味(あじわい)を生ずるのだ...
永井荷風 「妾宅」
...久ぶりに取上げる杯(さかずき)の味(あじわい)と...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...紅茶と珈琲とはその味(あじわい)の半(なかば)は香気に在るので...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...西洋にては巴里(パリー)に赴きて初めて菜蔬(さいそ)の味(あじわい)称美すべきものに遇(あ)ふといへどもその種類なほ我国の多きに比すべくもあらず...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...菜蔬と魚介(ぎょかい)の味(あじわい)美なるもの多きはこれ日本料理の特色ならずとせんや...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...いっこう味(あじわい)がない...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...味(あじわい)は江南を圧すなどという広告の文字がべたべた壁に貼(は)りつけてあるそうだ...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...個中(こちゅう)の味(あじわい)はわかるものだよ」「また来たね...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...なかなか味(あじわい)があるじゃないですか」「そう云う知己(ちき)が出てくると是非未来記の続きが述べたくなるね...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...唯人生の味(あじわい)なら...
二葉亭四迷 「平凡」
...そういう生活はなんのあじわいもなく...
山本周五郎 「さぶ」
...そういう感動はながい月日のあいだすでに飽きるほどあじわいつくして来た...
山本周五郎 「日本婦道記」
...云いようもない人間的な深いあじわいが感じられるからである...
山本周五郎 「ひとごろし」
...一つ一つあじわいながらな」と木内は云った...
山本周五郎 「へちまの木」
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