...化物(ばけもの)の策源地(さくげんち)は亞細亞(あじあ)の南方(なんぱう)であることが分(わか)るのである...
伊東忠太 「妖怪研究」
...『其面影』の妙処というは二十年前の『浮雲』で味(あじわ)わされたものよりもヨリ以上何物をも加えなかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...死の床に大なる苦悶を味(あじわ)いしという...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...またわれらの如き閑散なる遊歩者に向っては近代の生活に味(あじわ)われない官覚の慰安を覚えさせる...
永井荷風 「日和下駄」
...その名前を一々読んだ時には何だか世の中が味気(あじき)なくなって人間もつまらないと云う気が起ったよ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...個中(こちゅう)の味(あじわい)はわかるものだよ」「また来たね...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...けれども能くこれを味(あじわ)ってみると...
新渡戸稲造 「教育の目的」
...賤しい売女に接近して禁断の果実(このみ)を味(あじわ)い...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...紫陽花(あじさい)色の単衣の肌を押し脱ぐのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...こんな山の中で人知れず味(あじわ)っているんですもの...
堀辰雄 「美しい村」
...味(あじはひ)最妙なり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...そういう生活はなんのあじわいもなく...
山本周五郎 「さぶ」
...天床は網代(あじろ)というのだろう...
山本周五郎 「風流太平記」
...舌で味(あじわ)われ...
夢野久作 「暗黒公使」
...紫陽花(あじさい)の鉢を置いた窓から吾輩を呼び止めた奴がある...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...首桶の内の物は、夏なのでくさらぬように、前夜、細心なふせぎをほどこし、それは馬の前輪(まえわ)に結いつけて、あじろ笠、法衣(ころも)姿の馬の背だった...
吉川英治 「私本太平記」
...味(あじ)なまねをしやがるな」燕作(えんさく)は見くびりぬいて上段(じょうだん)にかまえ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...三つの網代笠(あじろがさ)が晴季(はるすえ)に目礼(もくれい)をしてついていった...
吉川英治 「神州天馬侠」
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