...どこに行っても取りあいもせず、鼻であしらい、鼻であしらわれ慣れた葉子には、何か真味な力で打ちくだかれるなり、打ちくだくなりして見たかった...
有島武郎 「或る女」
...まるで山の中から拾ってきた猿のようなあしらいを受けた...
有島武郎 「星座」
...話の筋も通って人のあしらいもそりゃ感心なもんよ...
伊藤左千夫 「姪子」
...しかしあの番頭の客あしらいは...
梅崎春生 「幻化」
...検事はそれをうまくあしらいながら...
海野十三 「蠅男」
...客あしらいは決して下手ではなかったのだから...
太宰治 「ヴィヨンの妻」
...世評どおりに彼をあしらい...
太宰治 「猿面冠者」
...正月の客あしらいかたがたどこからか借りて来たので...
寺田寅彦 「蓄音機」
...小手先のあしらいとは...
中里介山 「大菩薩峠」
...酔ってさえいなければ、もっと強調に、怪しみと驚きの表情をしたのでしょうが、たった今、ようやく酔線を越えたばかり、まだ酔(すい)と醒(せい)の境をうろついていた女には、それほど世界が廻っているとは見えなかったらしく、「お連れさんでしょう――そんならそうとおっしゃればいいに」甘ったれる調子で、暫くあしらい、後ろへ置かれた手をも、ちっとも辞退しないで、むしろわざと後ろへしなだれかかって、芝居半ばにテレきった自分の身体(からだ)を、持扱ってもらいたい素振りをしたが、それをそのまま底へ引込むように受入れ、肩へかかった手が、胸へ廻り、首を抱きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...寿美子は卓二を不即不離にあしらい乍ら...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...よくいらっしゃいました」お紋は下へも置かぬ待遇(あしらい)でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...実は御遠慮申上げておりました」下へも置かぬあしらいです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...祖母は俺を冷たくあしらい...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...和田の家人も彼に対してはあしらいかたが違った...
山本周五郎 「はたし状」
...寛(くつろ)いだ客あしらいを見せて...
吉川英治 「上杉謙信」
...九兵衛はあしらいよく...
吉川英治 「江戸三国志」
...人も小馬鹿にあしらい...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??