...はきだめの隅に芋のきれはしをあさる心よ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...――骨あさる鳥なり...
石川啄木 「詩」
...馬が近ずくと一旦パツと飛び立つた桜鳥が、直ぐまたその土塊の島に降りて、虫をあさる...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...僕は掃(は)き溜(だ)めをあさる痩せ犬のように...
岩野泡鳴 「耽溺」
...月をあさる花そのこゑはなめらかな砂のうへをはしる水貝(みづがひ)のささやき...
大手拓次 「藍色の蟇」
...自分の晩めしを料理するための燃料をあさる――いや...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...新聞の綴込をぼんやり読みあさるより外はなかった...
豊島与志雄 「擬体」
...日暮の餌をあさる鶏には...
永井荷風 「梅雨晴」
...当座の食物をあさるべく...
中里介山 「大菩薩峠」
...その巧みさ! 麦畑にあさる鳥の群を見る如し...
中島敦 「光と風と夢」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...田越しに助川の濱の老松が見える松越えて濱の烏の來てあさる青田の畦に萱草赤し十三日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...これと同想の類句に冬ざれや小鳥のあさる韮畠(にらばたけ)というのがある...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...女をあさる人になればこんなことが始終あるのであろうと源氏は反省した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...陶磁器をあさるこころを誰かは知らんまた誰にか告げん...
室生犀星 「忘春詩集」
...そしてこの目的を以て「武鑑」をあさるうちに...
森鴎外 「渋江抽斎」
...生命がその生きた餌食をあさる時に...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...古本をあさるほかは...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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