...あくどい物に出逢わなければ...
谷崎潤一郎 「秘密」
...昔から相当に戦乱が頻繁(ひんぱん)で主権の興亡盛衰のテンポがあわただしくその上にあくどい暴政の跳梁(ちょうりょう)のために...
寺田寅彦 「災難雑考」
...しかし現代の子供の絵本のあくどい色刷りなどに比較して考えるとむしろ一種稚拙にひなびた風趣のあるものであったようにも思われる...
寺田寅彦 「物売りの声」
...縁日の絵看板のあくどい泥絵だけを見て...
中里介山 「大菩薩峠」
...食器戸棚はあくどい慾に満ちた睡気をのぞかせる歌手(うたひて)達の口を有((も))ついやな熱気は手狭(てぜま)な部屋を立ち罩(こ)める...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...あくどい広告燈の明滅を眺めて慣れた...
原民喜 「風景」
...輸出物のあくどい色をした九谷焼の花瓶があり...
久生十蘭 「復活祭」
...冗談ならばすこしあくどいし...
久生十蘭 「魔都」
...あくどいアメリカ人に操られた新聞ですし...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...あくどい説明をする母の話で大体...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...同時に剣戟映画の弁士の真似(それはあくどい上方流)をして塩辛声に咽喉(のど)を潰してしまったおかげで...
正岡容 「わが寄席青春録」
...このようにあくどい動きのある側らで...
宮本百合子 「一票の教訓」
...あくどいほのめかしや皮肉をずいぶん云われたものである...
山本周五郎 「青べか物語」
...拵(こしら)え話か事実無根のあくどい記事で...
山本周五郎 「へちまの木」
...あくどい執念深い闘争(たたかい)であろう...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...相当あくどいこともやってのける...
吉川英治 「私本太平記」
...あくどい灯をつらねていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...あくどい悪戯(いたずら)に違いない...
蘭郁二郎 「幻聴」
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