...二十二お蔦は急に起上った身体(からだ)のあがきで...
泉鏡花 「婦系図」
...苦しみあがきながら築きあげたものを...
伊藤野枝 「転機」
...其時代の娘たちのあがきを浮薄な氣持を少しも加へないでガツチリと書き現はされたよい作だと思ふ...
今井邦子 「水野仙子さんの思ひ出」
...あがきもがいたものだろうと嘲(あざけ)るかも知れぬ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...足袋と下駄の臺のうしろにぴつたり密着(くつつ)いては歩行(あゆみ)のあがきを惡るくしてゐた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...あがきがつくめえじゃねえか...
中里介山 「大菩薩峠」
...この期(ご)に臨(のぞ)んでも猫又法印は惡あがきを續けます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ある隊長の乗っていたあばれ馬が、あがきまわって、蹄(ひづめ)でハンカチに穴をあけ、足をすべらし、乗手もろとも転んだのです...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...これじゃそっちの縮尻をみな外務で背負い込むような形になってあがきがとれなくなった...
久生十蘭 「魔都」
...両足に掛けろ」第四十三章 最後のあがき警部が言い終わらないうちに...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...(一月二十二日)病床苦痛に堪へずあがきつうめきつ身も世もあらぬ心地なり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...横山五助、やさしゅうして貰えば、あとでかならず恩がえしはいたしますぞ」一三白く、やさしく、しかし、憤怒と嫌悪とにワナワナと震える手に、われを忘れて、短刀の柄を、つかみしめた浪路とも知らず、横山五助、なおも、しつッこく、顎ひげののびた頬を、擦りつけるようにしながら、「のう、悪しゅうはせぬ――悪しゅうはせぬに依って、拙者にも、やさしい言葉をかけて下され――わるく、おあがきなら、止むを得ぬ――このまま、この場より、松枝町のお屋敷にお供するまでじゃ――な、お屋敷に戻られてしまえば、今度こそ、座敷牢...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...誰か力になる者がいなくちゃああがきがつかねえ...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...昏迷(こんめい)とあがきだ...
山本周五郎 「新潮記」
...あがき進む馬のように彼は自分の轡(くつわ)を噛み破ろうとするのだった...
横光利一 「旅愁」
...あがきもしない容子をじっと見とどけてから...
吉川英治 「私本太平記」
...あがきを失っている六波羅の窮状をみると...
吉川英治 「私本太平記」
...ムダなあがきをしやがって...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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