...溜池の端に、鹿の子滝といふ、この地方の名所がある...
太宰治 「津軽」
...猛鳥は足敏捷の牝鹿の子...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...鹿の子に乳を飲ませて養っていることであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかし、オットセイなるものに就(つい)ては、この番兵さんも、名前こそ聞いているが、その知識はあんまり深くないものだから、「鹿の子でも、オットセイでも、来れば大切(だいじ)にしてやるが――茂坊、オットセイは魚だろう、山にいるものじゃなかろう、北の方の海にいるお魚のことだろう、だからオットセイが、牧場へ逃げて来るなんてことは、有り得べからざることだよ」「いいえ、違います」茂太郎は、オットセイの知識については、何か相当の権威を持っていると見えて、首を左右に振って、番兵さんの言葉をうけがわず、「違いますよ、オットセイはお魚じゃありません、獣(けもの)ですからね」「そうか知ら」オットセイについて、茂太郎よりも知識の薄弱らしい番兵さんは、勢い、茂太郎のいうところに追従しないわけにはゆきません...
中里介山 「大菩薩峠」
...私も鹿の子様と一緒に...
野村胡堂 「十字架観音」
...赤い鹿の子の帯を締めて洗ったばかりらしい多い髪を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...鹿の子絞り帶も、緋縮緬(ひちりめん)の襦袢(じゆばん)も亂れて、中年男のセピア色の腕にムズと抱へられます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...赤い鹿の子絞(しぼ)りの扱帶(しごき)が下がるではありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...眼の覺めるやうな紅鹿の子の扱帶...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...娘の扱帶(しごき)らしい紅鹿の子の紐が一本...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少し色褪(あ)せた鹿の子絞りも哀れですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...牛のすきやきは、おきな、鹿の子、三島亭...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「この鹿の子は旨さうだな...
牧野信一 「公園へ行く道」
...光ちゃんよ君と僕とはその馬鹿の子供同士だけれど父親たちの争いを受けつぐのだけはごめんだねどんなことがあってもたとえどんなことが起きたとしても君と僕とは仲良くしようぜいいね光ちゃん...
三好十郎 「詩劇 水仙と木魚」
...一 鹿の子は生れおりれや山廻る...
柳田国男 「遠野物語」
...角の生えた鹿の傍に卵の殻から生れて来る鹿の子の写真があった...
横光利一 「旅愁」
...掛(か)け布(ぎれ)の緋(ひ)の絞(しぼ)り鹿の子は...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...鹿の子の群れあそぶ廣い/\馬醉木(あしび)の原は漸くあの可憐な白い花に別れやうとする頃である...
若山牧水 「樹木とその葉」
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