...けれどもわたしの心もちは一層憂鬱になるばかりだった...
芥川龍之介 「夢」
...折角計画した遠乗りのコースをこのような海岸に変更されて最初のうち少からず鬱(ふさ)いでいたのだが...
大阪圭吉 「死の快走船」
...星の光も見えない何となく憂鬱な夕(ゆうべ)だ...
岡田三郎助 「白い蝶」
...老杉蓊鬱(おううつ)たる尾峰の彼方に琵琶湖の水が古鏡の表の如く...
近松秋江 「湖光島影」
...沈鬱(ちんうつ)になってきた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...さうした感覺的のものであるよりはむしろより多く思索的の鬱憂性に傾いてゐる...
萩原朔太郎 「青猫」
...あまりに陰鬱でしめりがちである...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...内部への月影憂鬱のかげのしげるこの暗い家屋の内部にひそかにしのび入りひそかに壁をさぐり行き手もて風琴の鍵盤に觸れるはたれですか...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...遥かに憂鬱で哀傷的のものであつたが...
萩原朔太郎 「流行歌曲について」
...昼も小暗(おぐら)く大樹の鬱蒼(うっそう)としていた...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...モノモラヒがまだ治り切らず、憂鬱だ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...家庭生活には場違ひな陰鬱な...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...そして殊更に憂鬱気な態度を示した...
牧野信一 「鸚鵡の思ひ出」
...憂鬱な内部でむずむずと動いたりしていて...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...……青白く痩せこけて……髪毛(かみのけ)をクシャクシャに掻き乱して……無精髪(ぶしょうがみ)を蓬々(ぼうぼう)と生(は)やして……憂鬱な黒い瞳(め)を伏せた……受難のキリストじみた……...
夢野久作 「怪夢」
...その影のように暗鬱な顔の色には...
横光利一 「日輪」
...その度びに脊骨の中が暗鬱な痛みを覚え...
横光利一 「旅愁」
...お綱は憂鬱(ゆううつ)になった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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