...それは飢えたるライオンの前に兎を放つに等しい結果となる...
海野十三 「軍用鼠」
...私たちは今飢えている...
永井隆 「この子を残して」
...飢え迫るこの地方の人々はこの宝船によって救われた...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...飢ゑに苛まれ衰弱してゆく体を視つめながら...
原民喜 「氷花」
...それからもっともっと堪えてゆけよ、フラフラの病いに、飢えのうめきに、魔のごとく忍びよる霧に、涙をそそのかすすべての優しげな予感に、すべての還って来ない幻たちに……...
原民喜 「鎮魂歌」
...あの穀物価格がパリで異常な値上がりとなった時の飢饉以来膨れ上がったものだとされていた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...四日間のくらやみで娯楽に飢えた姿である...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...客が笑ひに飢え切ってるのを感じ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...わが草木とならん日にたれかは知らむ敗亡の歴史を墓に刻むべきわれは飢ゑたりとこしへに過失を人も許せかし過失を父も許せかしこれは彼がそのほど故郷に歸つて父の墓に詣でたをりの偶作で...
堀辰雄 「萩原朔太郎」
...飢えと野宿の為に若い盛りに死んだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...この飢饉の報を受けたので...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...飢えと貧しさと子供の腕白と妻の爪とに堪えた...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いま飢えと寒さとで...
山本周五郎 「花も刀も」
...いったい公卿の行き仆れや武家の飢死(うえじに)が一人でもあったかい...
吉川英治 「私本太平記」
...憎まれていて」「飢饉つづきのせいもあろ」「ええ今年も稔(みの)りが薄いといって...
吉川英治 「私本太平記」
...飢民のうらみを買う愚をさけたのでもあろうが...
吉川英治 「随筆 新平家」
...飢えに迫った鶯は...
吉川英治 「松のや露八」
...一人(いちにん)も飢ゑ死(じ)にし寒(こご)え死(じ)にしたる人ありときかず...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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