...「いらっしゃいまし」それに案内されて飛び石を踏んで行く波子の足どりも...
高見順 「いやな感じ」
...知人の処になど行って庭の飛び石を歩く時にはガラガラ変な音がするには甚だ困るなど随分この下駄では滑稽(こっけい)なはなしがある位...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...石燈籠の根を洗い飛び石の苔を湿おしつゝ土に沁み入るしめやかな音を...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...一つの大きな伽藍石(がらんせき)から小さい飛び石が幾個(いくつ)も幾個も長く続き...
谷崎潤一郎 「少年」
...お前は茶を入れな」そう云い捨てて飛び石づたいに枝折戸(しおりど)から表へ廻ると...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...画面の中央の下方にある一枚の長方形の飛び石であった...
寺田寅彦 「庭の追憶」
...そのときにいつも目の前の夕やみの庭のまん中に薄白く見えていたのがこの長方形の花崗岩(かこうがん)の飛び石であった...
寺田寅彦 「庭の追憶」
...飛び石が置いてあった...
徳田秋声 「足迹」
...「飛び石」の一つは既に出來てゐた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...手拭を持った日本左衛門は軽い庭下駄の音を飛び石に遠退かせて...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...二人は立木を避け、植込みを廻り、飛び石を撫で、一尺ごとに、手をのばして、手に触れるものを調べながら、御居間の方へ近づいた...
直木三十五 「南国太平記」
...飛び石が二つ、松一本のほかには何もない、平庭(ひらにわ)の向うは、すぐ懸崖(けんがい)と見えて、眼の下に朧夜(おぼろよ)の海がたちまちに開ける...
夏目漱石 「草枕」
...そこから玄関までが、飛び石づたいで、左右には、秋の七草...
野村胡堂 「胡堂百話」
...だれかが飛び石づたいにはいって来ました...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...石の乏しいその地方としては珍しい飛び石が...
柳田国男 「故郷七十年」
...飛び石伝いに母屋の方へ参りますと...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...灸は庭の飛び石の上を渡って泉水の鯉を見にいった...
横光利一 「赤い着物」
...F楼の廊下から中庭の飛び石へ...
若杉鳥子 「ある遊郭での出来事」
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