...青白い月明りが薄絹のようにたよたよと顫えている後壁の隙間から...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...」給仕は顫(ふる)へながら理由(わけ)を話した...
薄田泣菫 「茶話」
...門(もん)の呼鈴(よびりん)が鳴(な)る度(たび)に惴々(びく/\)しては顫上(ふるへあが)る...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...――その顫える手に一たびナイフを握り...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...脚(あし)はワナワナと顫(ふる)え...
中島敦 「名人伝」
...誰の名前が顫へてゐたか? 何を口惜(くや)しく思つてゐたか?誰にもそれは分らない...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...余は中の車に乗って顫(ふる)えている...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...聲は無意識に顫へてゐた...
南部修太郎 「疑惑」
...恐怖に顫(ふる)える葉子の美しさを享楽しなかったら...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...泣かじと噛んだ唇はワナワナと顫(ふる)えるのに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...赤い唇が激情にヒクヒクと顫(ふる)えます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの家に居るのが怖くてしやうがない」お留は日頃の陽氣さを失つて身を顫(ふる)はせるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...心持ち顫(ふる)へてをります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...差しうつむいてブルブルと顫えている...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「俺がそんな話をしろと頼んだか?」すると透明な美女は顫へだした...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...そこで、私は、身を顫はせて、垂布(カアテン)のない寢臺に起き上り、靜かな、暗い夜は、絶望の戰きを目撃し、熱情の爆發を聽いた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...*心が響に満ち 音律に顫えて来ると詩の作法は知らぬ自分も...
宮本百合子 「五月の空」
...「……看護婦さん……看護婦さん……」諸口さんは胸のあたりに顫(ふる)える両手を組合せた儘...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
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