...其(そんな)事は従頭(てんで)念頭にない...
石川啄木 「刑余の叔父」
...さればそこに多少の疑問はあるけれどもとにかく始め佐助というものの存在はほとんど春琴の念頭にないかのごとくであった少くとも佐助にはそう見えた...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...滋幹のことなど全く念頭にないように見えた...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...一向念頭にないのだった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...すぐまた目を覚ます)わたしもそれさ……金のことしか頭にないのさ……トロフィーモフ そう言えば...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...全く母親のことなんか頭にないらしく...
豊島与志雄 「或る素描」
...こちらの頭にない取越し判断を加えてしまった...
中里介山 「大菩薩峠」
...何を読もうとこの女には、読書というものが、あまり頭にない...
中里介山 「大菩薩峠」
...またはすでに落第と事が極(きま)って念頭にないものか...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...何も彼にも頭にない様な顔をして居た...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...時間などはてんで頭にないようで...
山本周五郎 「青べか物語」
...もうまったく寒笑のことなどは念頭にないのである...
山本周五郎 「新潮記」
...涼み船の遊楽などは頭にない様子で...
吉川英治 「剣難女難」
...彼が念頭にない老画師の姿を...
吉川英治 「人間山水図巻」
...「物」と「金」しか頭にないかのような彼も...
吉川英治 「源頼朝」
...どっちへ帰することも頭にない人間のある時の相(すがた)...
吉川英治 「宮本武蔵」
...自分が女一匹だということのほかは何一つ念頭にないのだった...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
...」と今は湯の事などは少しも頭にないらしく...
若山牧水 「一家」
便利!手書き漢字入力検索