...けふは晝頃に目を覺ましそれから遠藤の「日高膽振觀」を書き出したが、筆を運ぶ間に、一つには、雨降りで、何となく寒い爲めでもあらう、氣がゆるむと同時に、由仁(ゆに)へ行つたお鳥のことが思ひ出されて、なかなか段落が進まない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...雨降りに学校へ迎えに行ったり...
徳田秋声 「あらくれ」
...彼岸の入なるに雨降りて寒し...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...両三日空くもりて溽暑甚しく大雨降り来りては忽ち歇む...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...二十三青梅(おうめ)の裏宿の七兵衛は、この時分、裏宿の家におさまって、雨降り仕事に、土間へむしろを敷いて、藁(わら)を打って、しきりに草鞋(わらじ)をこしらえておりました...
中里介山 「大菩薩峠」
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萩原朔太郎 「短歌」
...「その晩は、大雨降りでなあ、雷まで、ゴロンゴロン鳴りだしやがって、まあ、なぐりこみには、あつらえ向きといえんこともなかった...
火野葦平 「花と龍」
...雛(ひな)祭る都はづれや桃の月 蕪村しのゝめに小雨降り出す焼野かな 同狩衣(かりぎぬ)の袖の裏這ふ蛍かな 同春(うすづく)や穂麦が中の水車 同欠け/\て月もなくなる夜寒かな 同鶯の鳴くや師走(しわす)の羅生門 同たんぽゝの忘れ花あり路の霜 同というように...
正岡子規 「俳句上の京と江戸」
...二十四日 From his diary.“Disagreeable atitude of Kozaki, Serino and Wada made me feel unhappy to stay with them so 〔一語不明〕“Chame” sweet dream I came home to sleep. Yes, what a wonderful power she has ! Cherish your heart, my dear “Chame”! How can I leave you ! I woke up early again this morning and felt “Chame's” unseen finger and embraced the vacant space tightly with a desire that she may be my “better half” and mine only.”二十六日 夜、セミナー、雨降り、午後和田と ten sen store で baby duck を買い、東京から来た豆と一緒に持って行き、自分は若し結婚すれば、決してA以外の人とは仕ないという約束...
宮本百合子 「「黄銅時代」創作メモ」
...ひどい雨降りのところをあまり机にへばりついているので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...でも雨降りの夜であったことがないのは面白いこと...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...馬を貸せ」「雨降りに傘...
吉川英治 「新書太閤記」
...時候が好(よ)ければ、すこぶるせいせいするし、また、雨降りでも、ごく近くなのだから、濡(ぬ)れても大したことはなく、かえってからだのほてりを冷(さ)ますぐらいのもので、その点、この往復は寮生にとって、一年を通じての健康法なのである...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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若山牧水 「熊野奈智山」
...船にして今は夜明けつ小雨降りけぶらふ崎の御熊野(みくまの)の見ゆ下總犬吠岬にて...
若山牧水 「樹木とその葉」
...なだれたち雪とけそめし荒山に雲のいそぎて雨降りそそぐ上野(かうづけ)榛名(はるな)山上榛名湖にて...
若山牧水 「樹木とその葉」
...飯(いひ)かしぐゆふべの煙庭に這ひてあきらけき夏の雨は降るなりはちはちと降りはじけつつ荒庭の穂草がうへに雨は降るなり俄雨降りしくところ庭草の高きみじかき伏しみだれたり渋柿のくろみしげれるひともとに滝なして降る夕立の雨一日のうちでは朝がいゝ...
若山牧水 「なまけ者と雨」
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