...二つの陰鬱な物凄い...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...その陰鬱な物悲しそうな表情をじっと見詰めていると...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...紫陽花のやうに寂しい陰鬱な夢をみる花はほかにはありません...
薄田泣菫 「雨の日に香を燻く」
...実に実に陰鬱な気持で...
太宰治 「人間失格」
...陰鬱な曇天(どんてん)つづきで木枯(こがら)しの風ばかり吹きすさぶ...
太宰治 「やんぬる哉」
...亡命客のように陰鬱な...
谷譲次 「踊る地平線」
...ほんとうの性質は陰鬱なのよ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...自分たち自身の陰鬱な生涯には一度も射さなかった輝かしい希望に対して...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...愛情をも陰鬱な憎しみをも映すことのできる...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...益々陰鬱な感じになっていた...
豊島与志雄 「阿亀」
...皆陰鬱な顔をして...
豊島与志雄 「群集」
...地獄の釜の蓋のあく日がきて陰鬱な鐘の音が人を促すやうに鳴りはじめると伯母さんは気のすすまない私に花色の帷子(かたびら)をきせ...
中勘助 「銀の匙」
...きわめてnegatif(ネガチフ)な陰鬱なようすをしている...
久生十蘭 「地底獣国」
...陰鬱な不快な気持で働いた...
北條民雄 「道化芝居」
...相当酔つてゐるらしかつたが、陰鬱な顔をして、大声も出さず、そして盃を取りあげた...
牧野信一 「貧しき日録」
...陰鬱な氣懶(けだる)い氣持は夜が更けるにつれて刻々に骨の膸(ずい)まで喰ひ込んだ...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...著者の人生観は陰鬱な色をもっている...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...此(この)陰鬱な天候に加へて諒闇(りやうあん)の中に居る自分達は一層気が滅入(めい)る許(ばか)りである...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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