...しかし(あん)や皮にあった野趣だけはいつか失われてしまった...
芥川龍之介 「本所両国」
...何にしろ君そんなによくば沢山やってくれ給え」「野趣というがえいか...
伊藤左千夫 「浜菊」
...「これはなかなか独特の野趣がある...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...さすがに野趣なしとせず...
大町桂月 「近藤重藏の富士山」
...町はずれの野趣といっても...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...跣足でポストまで、帰途、蓼を折つてきて活ける、野趣横溢、そして秋気床間に満つ...
種田山頭火 「其中日記」
...I書店の主人があの野趣に富んだ精悍な顔を不意に見せたことがあった...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...写生をするにも野趣のある草花はないし...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...風俗は(都会では一般ヨーロッパとあまり変らないけれども)地方では昔ながらの野趣をおびた絵画的の服装が保存されてある...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...妙に野趣(やしゆ)を帶びた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この野趣(やしゆ)滿々たる若者――丈夫さうで正直さうな男に案内されて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして床の間に或る野趣とも銘すべき調和をさへかんじたのだつた...
室生犀星 「故郷を辞す」
...その性情は野趣に富み奔放不拘束な点が多かった...
山本周五郎 「似而非物語」
...日曜の鐘を聞いて白いレエスの帽を被(かぶ)つた田舎(ゐなか)娘が幾人も聖書を手にし乍(なが)ら坂路(さかみち)を伏目勝(がち)に御(お)寺へ急ぐ姿も野趣に富んで居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...ホテルで樹木を植ゑたり水田を試作したりしてゐるため一種の野趣が感ぜられる...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...一種の野趣と豪放な線のおもしろさはあるが...
吉川英治 「折々の記」
...野趣があって甚だいい...
吉川英治 「三国志」
...野趣に富む田舎歌(いなかうた)に合せて沸き...
吉川英治 「平の将門」
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