...今まで彼に感じていた敬虔な魅力から醒めると...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...佐野さんのはあれよりもまづいわ」十風は醉が醒めるに從つて雪駄についての興もさめて長い體を仰向けて寢て目を瞑つて居る...
高濱虚子 「俳諧師」
...母は興奮しては、すぐ醒めるたちなので、その時の興奮も、ひとつきくらいつづいて、あとは、けろりとしていましたが、柏木の叔父さんだけは、醒めるどころか、こんどは、いよいよ本気に和子を小説家にしようと決心した、とか真顔でおっしゃって、和子は結局は、小説家になるより他に仕様のない女なのだ、こんなに、へんに頭のいい子は、とても、ふつうのお嫁さんにはなれない、すべてをあきらめて、芸術の道に精進(しょうじん)するより他は無いんだ等と、父の留守の時には、大声で私と母に言って聞かせるのでした...
太宰治 「千代女」
...――△春があれば秋がある、満つれば缺げる、酔へば醒める、腹いつぱいも腹ぺこ/\も南無観世音、オンアリヨリカソワカ...
種田山頭火 「其中日記」
...それでも山下の村々はこの靜かな山の裾に平和に棲息してゐると思はれて眼の醒めるやうな山麓の青草と緑樹に埋れて汀を綴つて人家が斷續してゐる...
近松秋江 「湖光島影」
...お徳に絡(から)み付かれた時の亢奮が次第に醒めると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ショオマレェは茫失状態から醒めると...
久生十蘭 「海難記」
...「苦しいことに出遇つて眼醒めるとか...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...直ぐに眼が醒めるのであつた...
牧野信一 「湖の夢」
...だから目醒めると直ぐに...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...エロスの二三杯も飲めば目が醒めるといふものだ...
牧野信一 「山彦の街」
...黒海は実に目醒めるばかり碧紺の海の色だのに...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ちょいと動くと目が醒めるようにいたして置きましたの...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...眼の醒めるような美人が現われて...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...すこし調子が変るとフッと眼が醒める...
夢野久作 「焦点を合せる」
...「そのお心の醒めるよう...
吉川英治 「剣難女難」
...――幕府もいけないが中世幕府ごろの善政に醒めるべきである...
吉川英治 「私本太平記」
...これが思うままにできるようになると、醒めるも快、眠るも快、百事、この世は快ならざるものはなくなってくる...
吉川英治 「新書太閤記」
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