...併し朝毎に厨の音と子供の泣く音とに醒める身には何と云ふ遠い世の幽な夢であらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...今まで彼に感じていた敬虔な魅力から醒めると...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...全身汗だらけになつて度々目が醒める...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...せつかくの醉ひが醒める...
太宰治 「お伽草紙」
...プロレタリアートの恐らく最も単純で明白な利害に目醒めることによって始まる処の...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...ほとぼりが醒めるとまた始めた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...よつ程眠つたらうと思ふ頃にふと目が醒めると酷くしめツぽく感じた...
長塚節 「利根川の一夜」
...お徳に絡み付かれた時の亢奮(こうふん)が次第に醒めると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...冬眠から醒めるはずのない青蛙が一匹...
火野葦平 「花と龍」
...いろいろ眼醒めることが多いだらう...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...あたしは、思はず、キヤツ! といふ悲鳴を挙げて、眼が醒めると、枕もとの時計は丁度五時だつた...
牧野信一 「鵞鳥の家」
...或る箱の葭簀(よしず)の下では支那らんちゅうの目の醒めるようなのが魁偉(かいい)な尾鰭を重々しく動かしていた...
宮本百合子 「高台寺」
...ただ新しい願望が目醒める...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...……醒める時はいずれ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...醒めると何より眞先に穢れた妻の身體が浮んで來た...
横光利一 「悲しみの代價」
...眼醒めるばかりの広闊な場所に変っていた...
横光利一 「夜の靴」
...ふと擦れ合う胴の触感から醒める暗黙の危機を感じた...
横光利一 「旅愁」
...「そのお心の醒めるよう...
吉川英治 「剣難女難」
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