...長老の言葉を遮るやうにトツクのことを話し出しました...
芥川龍之介 「河童」
...ただ二階の人々の眼を遮る障壁代りの働きをせしめる事に苦心してゐるのである...
高浜虚子 「発行所の庭木」
...これは加柴さんにも言ったな」「北海道へ行く直前……あのときはお世話になった……」俺の言葉を遮るみたいに...
高見順 「いやな感じ」
...風を遮る森林の奥には羅馬時代の大理石造の浴室が沸々として珠玉のような湯を漲らせます...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...温い日光の影を遮る事もあつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...彼女は書類を載せた机を私から遮るような元の姿勢で立っていた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...寒気を遮るために...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...其前にヘーレー霧を敷き散らし路を遮る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...細君も腹立たしげに己の詞を遮るやうに饒舌(しやべ)り出した...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...夜は忽ち暗黒の中に眺望を遮るのみか...
永井荷風 「放水路」
...それを遮る立木も稀である...
中谷宇吉郎 「泥炭地双話」
...双方を結び附けつつ同時に隔て遮るであらうあらゆる中間的媒介的存在者を排除して...
波多野精一 「時と永遠」
...何一つ眼を遮るものもないすべすべした崖にのぞんでは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...何一つ遮るものなく...
柳田国男 「故郷七十年」
...S=階下七五郎、遮る...
山中貞雄 「森の石松」
...新島は秀之進の水戸入りを遮るために跟けて来た...
山本周五郎 「新潮記」
...元気な曹長の頑張るのを徳永大尉が、まあよせと遮る...
山本笑月 「明治世相百話」
...それらの背後には人の目を遮る丘々と海岸――クィーン・メアリ・ランドとカイザー・ヴィルヘルム・ランド――があり...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
便利!手書き漢字入力検索