...糟谷はいまの場長の話は遠まわしに自分に諷(ふう)するのじゃないかと思った...
伊藤左千夫 「老獣医」
...非常にていねいで遠まわしの暗示であると解したのである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...その隠喩や譬喩(ひゆ)はいわば食堂への料理運搬機を通じて必然的にはなはだ遠まわしになり...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...でも、僕は、その秘密を、絶対秘密のまま、とうとうこの世で誰にも打ち明けず、胸の奥に蔵して死んだならば、僕のからだが火葬にされても、胸の裏だけが生臭く焼け残るような気がして、不安でたまらないので、姉さんにだけ、遠まわしに、ぼんやり、フィクションみたいにして教えて置きます...
太宰治 「斜陽」
...遠まわしにそれとなくお前の反省をうながして来た筈なのに...
太宰治 「新ハムレット」
...女中にお酌でもさせてもらうように遠まわしの謎(なぞ)を掛けたりなどしてみたのであるが...
太宰治 「母」
...というような意味を遠まわしににおわしているのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...前から考えているらしい遠まわしな質問を持ちかけるのであったが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...ねがってもないことですが……」秋川が遠まわしにプロポーズしていることは...
久生十蘭 「あなたも私も」
...遠まわしに仄めかしているだけである...
久生十蘭 「泡沫の記」
...遠まわしに仄めかしているのだと思える...
久生十蘭 「虹の橋」
...ひどく遠まわしに話を切り出して...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...遠まわしに尋ねることにしました...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...それは遠まわしの批評であるだけに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...遠まわしに触れてみたりしたが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...最も遠まわしな科学的の方法によって...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...遠まわしに清盛の耳へ入るように仕向けた...
吉川英治 「随筆 新平家」
...遠まわしなお次の便りからそれを突きとめておくなど...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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