...ときどき遠い鈍い底唸りのやうな音がどこともなく起つて...
田畑修一郎 「南方」
...それを遠い地平線を限る常緑樹林の代用として冬枯れの荒涼を緩和するほかはなかった...
寺田寅彦 「芝刈り」
...遠い昔を忘れてはいませんでした...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...遠いところに灯っている大きい燭光のようであった...
直木三十五 「南国太平記」
...思い出すほど遠い距離でも時間でもないのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...嫁のお弓は遠い親類の娘で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その上ひどい鳥眼(とりめ)だから凡(およ)そ泥棒とは縁の遠い御仁體だ」三輪の萬七がわざ/\明神下の錢形平次の家を訪ねて來て...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...僕には少し耳が遠いやうな感じで...
原民喜 「飢ゑ」
...膃肭獣は遠いところを眺めるような眼つきをしながら...
久生十蘭 「海豹島」
...五十には遠いのに...
火野葦平 「花と龍」
...水底に映る空の雲の眼近く遠い不思議の奈落にのめり込む戦きに襲はれた...
牧野信一 「月あかり」
...真を距(へだた)る極めて遠いものではないであろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...道は遠いし、お金がかかる...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...何か罪から遠いものがあるではないか...
柳宗悦 「苗代川の黒物」
...少なくとも遠い処からお出でになる尊い神様を...
柳田国男 「年中行事覚書」
...「君と劉表とを比べてみたらどうでしょう?」「自分は劉表に及ばない」「曹操と比べては」「及ばぬことさらに遠い」「すでに...
吉川英治 「三国志」
...遠い地方まで出張(でば)ッて...
吉川英治 「私本太平記」
...遠い所から救いの道を説きに来られた...
和辻哲郎 「鎖国」
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